ソロキャンプを楽しむ女子高生・志摩リンと、彼女と出会いキャンプに惹かれ、高校で野クル(野外活動サークル)に入部した各務原なでしこ。2人とその友人たちの日常やキャンプする姿を緩やかに描いたTVアニメ「ゆるキャン△」。2018年に放送され、キャンプブームを巻き起こした人気作が、野クルのメンバーの新たな旅を描くショートアニメ「へやキャン△」として帰ってくる。今回は、なでしこ役の花守ゆみりに作品の魅力について聞いた。
――キャンプをテーマにアニメファン以外にも注目を集めた「ゆるキャン△」ですが、振り返っていかがですか?
「放送のタイミングが、現在のキャンプブームのほんの少し前だったので、キャンプに興味があるけど迷っていた方への、入口になることができたかなって思います。普段アニメを見ないようなキャンプ経験者の方や、ご家族で見られている方からも感想をいただく機会があって、いろいろな世代の方に愛される作品になったのだと実感しました」
――その要因はどこにあると思われますか?
「TVアニメ化のタイミングもあると思いますが、原作コミックの時点で独特の緩い空気感はあるけれど、世界観の作り込み、道具の描写など、こだわりが本当にすごくて。そこへさらに京極(義昭)監督をはじめ、スタッフさんのこだわりと愛が注がれて、その熱に私たちキャスト陣も背中を押されながら、声を当てさせていただきました。"好き"に対して全力で取り組む、みんなの力の大きさだと思いますね」
――ソロキャンプが好きなリンと、彼女の気持ちを尊重するなでしこたちの関係性も魅力ですよね。
「距離感の魅力を感じます。人によっていろんな距離感があって、それをお互いに認められるのは、すごくいい関係ですよね。みんなと一緒に動かないといけないことに、少し息苦しさを感じている人にとってはリンちゃんに共感して、なでしこたちのように受け入れてくれる人もいるって、救われる気持ちになれる作品でもあるのかなと思います」
――花守さんは「リン」と「なでしこ」どちらのタイプですか?
「私は3割リン、7割なでしこ、かな。私は自分からというよりは、誰かと話して『じゃあ行こうか』ってなるタイプです。キャンプの時もみんなでワイワイしながら行くけれど、着いてからは何をするのかソロで決めて、なんとなく自分の好きなものを作って、その好きについてみんなで話す。それがすごく楽しくて。みんなが適度な距離感を保ちつつ、のんびりとお話ができるキャンプって、なんて素晴らしいイベントだろうと思い、今は時間を作って2ヶ月に1回くらいのペースで計画しています」
――花守さんは「ゆるキャン△」に出会ってキャンプにハマったんですね。
「そうですね。本当にハマりました」
――「へやキャン△」制作の一報を聞いた際の感想をお聞かせください。
「TVアニメ第2期、劇場版の制作決定と同時に教えていただいたんですけれど、まず驚きと感動があって、それから『え?へやキャン△!?』って(笑)。もともと『ゆるキャン△』のエンディング後のショートアニメなので、今回も放送時間は短いですが『ゆるキャン△』の緩くて癒やされる雰囲気は損なわずに、どこかコメディーチックなところは増しています」
――最後に「へやキャン△」の放送を楽しみにしているファンの方へメッセージをお願いします。
「『ゆるキャン△』から見ていて楽しみにしていただいている方にも、『へやキャン△』から見てみようかなって思ってくれた新規のファンの方にも、楽しんでいただける作品になっていると思います。山梨の良さや、キャンプの良さに気づいてもらえる入口にもなれたら嬉しいですし、モデル地を巡るのが好きな方にも楽しんでいただけると、さらに盛り上がるかなと思いますので、皆さん見てください」
文=中村実香