輝き増す中川翔子、2020年は「歌って、描いて、子供たちの声をもっと聞きたい」<前編>
――なかでも大きかった出来事は?
アルバム『RGB 〜True Color〜』のリリースは大きかったですね。ずっと歌いたかったけれど、しばらく歌から遠ざかっていて、シングルは3年半、アルバムは約5年ぶりのリリースでした。その5年間も諦めたくなくて、コンサートのほかにもディナーショーやミュージカルへの挑戦と、諦めずにいろんなことをやっていました。やっぱり、リリースできないのはすごく不安でした。
――リリース後の反応はどうでしたか?
久しぶりだったし、イベントに『誰も来なかったらどうしよう』という恐怖から始まったんですが、子供たちがたくさん来てくれたんですよ。イベント開始前から『タイプ:ワイルド』を大合唱してくれたり。みんな覚えて歌っちゃうくらい何回も聴いてくれていたんだと思います。「子供たちに笑顔を届けたい」という夢が叶っているんだと、喜びを噛み締めながら控室のカーテンの隙間からのぞいていました(笑)。そういう場面にたくさん遭遇した1年だったので、多少の大変なことは、子供たちのピュアな光で消し飛びましたね。
「子供たちに笑顔を届けたい」という夢。大人になってからの大きな心境変化
――子供たちをはじめ、ファンと交流する機会も多かった?
はい。親子で来てくれる方がすごく増えていて感激しました。昔からイベントに来てくれていた方同士で結婚したご夫婦も、何十組といるんですよ! ちゃんとそれぞれの人生があって、環境も変わったり大変だけど『久しぶり!』って再会した感覚でしたね。はじめましての方にも『小学生のころからポケットモンスターの番組を見ていて、いま自分のお金でイベントに参加できています』、言っていただいたり。もう、うわぁ〜って。生きていてよかったなって、すごく思いました。
――それは嬉しいですね。
20代後半くらいから「子供たちに歌や言葉で、夢や思い出を届けたい」というという夢が自分の中に出来てきてたので、楽しかった記憶の中に彩りを添えられたかな、と実感できて嬉しかったですね。でも大人になるまでは「アニメの歌を歌いたい、これに出てみたい」とか、自分の夢を追いかけていたから、正確には「そんな夢に変わった」かな。去年は本当に、蒔いていた種が実っていてくれた1年でした。