“cutting edgeの親分”スカパラがデビュー30周年イヤーも変わらず「ひとりひとりの観客に届けたい」
1月16日、東京・新木場スタジオコーストにてライブイベント「TOKYO CUTTING EDGE Vol.3 ~Tokyo Ska Has No Border~」が開催された。同イベントの模様をレポートする。
このイベントは、「時代のエッジ」を切り取ることをテーマに設立されたレーベル「cutting edge」の所属アーティストが集結した、レーベル主催の音楽フェス。
白地に黒文字で「TOKYO CUTTING EDGE」と書かれた巨大なロゴを掲げたステージに、現在のレーベルを代表する5組のアーティストが登場した。
betcover!!
1番手を務めたのは、2019年にcutting edgeに加わり、メジャー・デビュー作『中学生』をリリースしたヤナセジロウによるプロジェクト・betcover!!。
一度でも彼のライブを観たことがある人ならば周知の通りだが、betcover!!の楽曲は、ライブでは音源とまったく異なる姿に変化する。
ベースとドラムを加えた3人編成でステージに登場すると、「平和の大使」や「異星人」を筆頭に、音源以上に凶暴な爆音ギターと、感情を全身で吐き出すような歌を披露。
ウェルメードなメロディーはそのままに、演奏や歌のダイナミズムやUSハードコアを思わせるギターノイズが増幅され、音圧なども含めたさまざまな要素が混然一体となって突っ込んでくるような稀有な体験を演出してみせた。
最後は観客に「夢で会おうぜ!」と告げて、「ゆめみちゃった」を披露。冒頭から集まった観客の度肝を抜くようなステージとなった。
Newspeak
2番手のNewspeakは、イギリス・リバプールへの留学から帰国したボーカルのReiを中心に結成された4人組ロック・バンド。欧米のインディーロックなどに強く影響を受けたサウンドと、英語詞を生かした楽曲が最大の特徴だ。
まずは、UKインディーロック直系のメロディーに、構成要素は異なるもののArcade Fireらにも通じる壮大なスケール感を加えた「July」で観客にクラップを促して、ドラムのStevenが「新木場、Put your hands up!!」とシャウト。
続いてThe Stone Roses「Begging You」にも通じるグルーヴが鳴り始め「Wide Bright Eyes」へ。以降も「Media」を経て、「24/7 What For」で「Tra, la-la-la, la-la-laLa-la-la la-la-la la-la-la♪」とコーラスを観客に促すなど、アンセミックな楽曲をフルに生かして盛り上げていく。
終盤には、Reiが「この後もカッコいいバンドが続くと思うんで、俺たちのことも忘れないで!」と告げ、サビで観客が手を振った「Lake」や、「最後の曲です!」と告げてはじまった「See You Again」を披露。終盤に向けて熱量が増す中でステージを締めくくった。