佐藤浩市&火野正平、被災地への思いを語る「負の遺産を遺産としてバトンをつなぐ映画」
火野正平「むさ苦しいところにいたらやつれていきますよ」
そして本作で、実際に演じている役者たちが、どんどんやつれていく様子が描かれていることに触れられた佐藤は、「この作品は順撮りで撮影を進めていて、5日間の出来事を時系列に沿って撮影していきました。そうすると、みんなの顔もどんどん変わっていくんですよ。この作品的にはそれがとても良かったと思います」と、日に日に過酷さを増す現場のリアルな様子を描けているとコメント。
すると、火野は「3週間くらい、同じセットにたくさんの男がいて、そんなむさ苦しいところにいたらやつれていきますよ(笑)」とコメントし、「それはあなただけだよ!」と佐藤がツッコむという一幕もあった。
そして火野は、「防護服、マスクをかぶって原発内を走るのは、本当に俺じゃなきゃダメなのかなと思いました。撮影の最終日に気づいたんですけど、最初から横に吹き替えの人が待機していたんですよ(笑)。最後まで自分でやりましたよ」と撮影の裏を明かした。
暗闇の中での撮影を佐藤は、「物語の中盤から防護服を着るので、セリフも明瞭に聞こえないんです。専門用語も飛び交いますし、そうした製作スタッフがマイナス要素と思っていたものが、実際、とてもリアルさを持っていて、表情が分からなくても、それが何か分かるようになるんですよ。セリフの不明瞭さも、妙にリアルに聞こえてくるんですよね。そうした意味では“映画の神様”がいたのかなと思いますね」と振り返った。
3月6日(金)全国公開
出演:佐藤浩市、渡辺謙、吉岡秀隆、緒形直人、火野正平、平田満、萩原聖人、堀部圭亮、小倉久寛、和田正人、石井正則、三浦誠己、堀井新太
金井勇太、増田修一朗、須田邦裕、皆川猿時、前川泰之、Daniel Kahl、小野了、金山一彦、天野義久、金田明夫、小市慢太郎、伊藤正之、阿南健治
中村ゆり、田口トモロヲ、篠井英介、ダンカン、泉谷しげる、津嘉山正、種、段田安則、吉岡里帆、斎藤工、富田靖子、佐野史郎、安田成美
監督:若松節朗
原作:「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発」門田隆将(角川文庫刊)
製作:KADOKAWA
配給:松竹、KADOKAWA
(C)2020『Fukushima 50』製作委員会
公式HP: fukushima50.jp