宮藤官九郎「いだてん」後初舞台のテーマは“現代人のストレス”『身につまされるような笑いを目指せたらいいな』
宮藤官九郎が作・演出を手掛ける大人計画の劇団公演「ウーマンリブ」シリーズ。「宮藤官九郎が何ものにもとらわれず、今やりたいことを自由に、ストレートに表現する」をテーマに始まった「ウーマンリブ」のVol.14にして5年ぶりの新作となるのは、タイトル「もうがまんできない」。2019年に大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」(NHK総合ほか)の脚本を完遂し、大人計画というホームグラウンドに戻ってきた彼が、ストレスを抱えて生きる現代人の日常を2時間ノンストップで描くシチュエーションコメディーだ。
大河ドラマでは自分一人では絶対に無理な表現ができた
――「いだてん」という大仕事を終えられてからの宮藤さん作・演出の初舞台。「ウーマンリブ」のモットーは「今やりたいことを自由に、ストレートに表現する」ということだけに、ご本人的に解放感みたいなものはあったのでしょうか?
久々に大人計画のメンバーと一緒に芝居ができるとうれしさ、楽しみはありましたが、解放感という部分ではなかったですね。もちろん、大河ドラマは多くの方にご覧いただく作品だけに制約がなかったとは言えませんが、それでも自分一人では絶対に無理な表現ができたので、とてもありがたかったと思います。
――「自分一人ではできない表現」とは?
「いだてん」では、チーフ演出の井上剛さん、映画監督としても活躍されている大根仁さんなど、監督それぞれが「自分はこうしたい!」という強い思いを持ってらっしゃる方だったので、一視聴者として見ていても楽しかったですし、自分にはない発想だけど面白いなと思ったところがたくさんあったので、すごく勉強になりました。
――今回の「ウーマンリブ」では現代人のストレスをテーマにされています。「もうがまんできない」というタイトルもそうですが、そのテーマを選んだ理由は?
昔は知らない場所に行くときには、紙に印刷した地図を持って歩いてましたよね。それが今ではスマホを持つようになって便利になっているのに、逆にイライラしてしまうことも増えたなと。それを含めて、いくら世の中が便利になってもストレスはなくならないんじゃないかなと思ったんですよね。そういう皆さんも感じているであろうストレスと、それをため込んでしまったときの気分をお芝居にできないかなと思いました。
作・演出:宮藤官九郎/出演:阿部サダヲ、柄本佑、宮崎吐夢、荒川良々、平岩紙、少路勇介、中井千聖
宮藤官九郎、要潤、松尾スズキ
東京・本多劇場公演は4月2日(木)~5月3日(日)、
大阪・サンケイホールブリーゼ公演は5月9日(土)~5月21日(木)。
2月15日(土)朝10:00より東京・大阪公演一斉発売開始