<微笑む人>原作者・貫井徳郎が松坂桃李を絶賛!「松坂さんをキャスティングしたというだけで成功」
“テーマの難しさゆえ”映像化は不可能ではないか…
原作者をもってして「映像化は不可能ではないか」と考えられていた「微笑む人」。今回のドラマ化の話が来たときは「映像畑の方々は映像化しやすい作品よりも、しにくい作品をあえて選んでやるんだな」と感じたという貫井。
「なぜ映像化しにくいのか」それは“テーマの難しさゆえ”と話す。大手銀行に勤めるエリートで常に微笑みが堪えない、誰が見ても“いい人”である仁藤が、信じられないような理由で妻子を殺した、というところから始まる今作。
貫井はこの作品のテーマを「世間の人たちは、自分が分かる範囲だけで“分かった気”になっている」ということだと定義する。
「でもそんなことって、『言われたくない』『目をつぶっていたい』って思っている方々が大半だと思うんです。そんな大半の人たちが受け付けられないと思っているようなテーマでも、テレビで放送したら多くの人の目に触れてしまうでしょうから、映像化はちょっと難しいかなって思っていたんですよ」と、「微笑む人」のドラマ化決定の意外性を明かした。
続けて、「原作そのままよりはアレンジしたほうが面白い作品になるのでは、と思っていたので、脚本を秦建日子さんが担当してくださると聞いたときは、『それならば僕が思いつかなかったようなアイデアを足して映像化していただけるのでは!』と楽しみになりました」と語る。
秦が用意した驚がくのラストを読み「なるほど!とびっくりしましたよ。テレビの前で気軽に視聴し始めた方々も、引き込まれるような展開で、満足感を得られるようなラストになっているのではないでしょうか!」と、太鼓判を押した。
仁藤役に松坂桃李をキャスティングしたことで成功
そして貫井は、今作で主人公・仁藤を演じた松坂を大絶賛。「仁藤役に松坂桃李さんをキャスティングしたというだけで、もうこの作品は成功じゃないですか!?と思うくらい、ぴったりだと思いました」と手放しで称賛した。
貫井は松坂の印象を「見るからにいい人。爽やかですし、裏に隠していることなどもなさそう」と分析。「でも、そういう人が“本の置き場所が欲しかったから”というわけの分からない理由で妻子を殺す。そのギャップの大きさが、逆に怖さになると感じました」と話しつつ、「松坂さんがこんな役をやってくださるとは!」と、驚きも明かした。
「どんなフィクションでも度を越していると見たくはない。この作品が果たして度を越すのか越さないのか…」と期待を寄せた。