間宮祥太朗「言葉を“投げる”というよりは“置く”イメージ」
――物語が毎回、複雑な事件の話が多いですが、どのように演じようかと心掛けたことはありますか?
小説を読んでいるかのような話だなという印象をうけました。僕の意見なのですが、このドラマは最後のどんでん返しを楽しむでも、誰かに感情移入して自分の苦しみと重ね合わせるでもなく、登場人物の会話や、毎話起きる事件、それに関わる人物の滑稽な部分を味わうドラマだと思うので、その“味わい”を僕からも出せるようにとは思いました。
――間宮さんは、このようなハードボイルドな作品やミステリー作品などはお好きですか?
このような映画は結構好きで、探偵つながりで言うと「私立探偵 濱マイク」とか。葉村のようなやさぐれた、自分の居場所があるけれど、その居場所ですら、そうじゃない雰囲気を持つ“放浪者”のような主人公が好きで。
人生自体が迷っている感じとか、「本当の居場所はここじゃない」と思いながら、とどまっている。そんな人物って哀愁と色気があるじゃないですか。なので、岡田を演じつつも、葉村を演じているシシドさんをいいなと思っています(笑)。
――岡田は、原作にはいない役柄ですが、役作りや意識されたことはありますか?
ミステリアスに見せようとすると、くどいなと思ったので、そこはあまり意識せずに演じていました。ですが、バックボーンや人となりが見えてこない役柄なので、変に色付けしない、見ている人が後にどうとでも取れるような表情や、どうとでも取れるような間とかを最初の方は意識していました。
あと、声には気を付けましたね。言葉を“投げる”というよりは“置く”イメージで話しました。
――そんなミステリアスな役柄ですが、間宮さんは岡田をどのような人物だと考えますか?
強さはあると思うのですが、自分に対してのプレッシャーがすごい人なのだろうなと思います。自分にプレッシャーをかけて生きてきて、そうすることで自分の出世や育ちを否定しない生き方しているような気がします。それが悲しくもあり…と。
見た目だと、“英国っぽさ”というのが僕のイメージの中にありました。スーツとかを英国紳士のような雰囲気になるように意識しましたね。衣装合わせの際にそういう話を監督としました。