主演女優賞は高畑充希「『不安だ~』って毎日泣き言を言っていました」【ドラマアカデミー賞】
第103回ドラマアカデミー賞で主演女優賞に輝いたのは「同期のサクラ」(日本テレビ系)の高畑充希。脚本家の遊川和彦をはじめ、「過保護のカホコ」(2017年日本テレビ系)のスタッフと再び組んだ主演作で、大手ゼネコンに入社しながら上司にもはっきり物を言い、妥協しないサクラが、同期の仲間とかけがえのない友情を育んでいく様を演じた。
初めて企画から参加した作品「オリジナルドラマって大変」
――2015年に「問題のあるレストラン」(フジテレビ系)で第84回ドラマアカデミー賞助演女優賞を受賞。主演女優賞は今回が初となります。受賞の感想を聞かせてください。
「同期のサクラ」はみんなでゼロから作ったドラマなので、私が代表として賞を頂いた気持ち。すごくうれしいなと思います。
最初に「過保護のカホコチームでもう一度、一緒にやりませんか」と声をかけてもらい、信頼しているチームなので「ぜひ」とお返事しましたが、その時点ではまだ何も決まっていませんでした。そこから、気がついたら打ち合わせに呼ばれていたという感じで、アイデアを採用してもらえたりもして。サクラのキャラクターにはとても思い入れがあります。それだけに、放送が始まって、見てくださっている方に楽しんでいただけたのが、本当にうれしかったですね。
日本テレビのスタジオで隣の部屋から小池栄子さんが出てきて「めっちゃ見てんの。毎週、泣いてんだけど」と言ってくださって感激したこともありました。
――高畑さんにとって初めて企画から参加した作品ということになりますか?
そうですね。改めて「オリジナルドラマって大変だな」と思いました。1話ごとの打ち合わせでも、みんなで気が済むまで話し合っていましたし、現場でも引っかかるところがあって撮影がストップする瞬間がありました。それは良い意味でそうなっていて、「このシーンはどういうことなんだろう」「どうすればもっと良くなるんだろう」と、スケジュールに余裕がないのに、たっぷり時間を使っちゃったりして…。
でも、10月クールだから日が落ちるのが早く、昼間のシーンは早く撮り終えなきゃいけない。キャストもスタッフさんも、最後の方はヘロヘロになっていました。私もほとんどのシーンに出ていたので、このドラマ以外は手に付かない感じの忙しい毎日でした。病室で寝ている場面だけは、セリフを覚えなくていいからうれしかったですね。一度、本気で寝てしまいました(笑)。
――その中でも最も大変だったのはどのシーンでしょうか?
やっぱり第1話が一番難しかったですね。サクラのキャラがぶっとんでいたので、それをどうやって受け入れてもらえる人にするかということに悩みました。
「私には夢があります」というサクラのセリフがありますが、現実にそんなことを急に言い出したら「えっ?」と引かれてしまいますよね。このセリフでクライマックスにできるんだろうかという恐怖があったので、「不安だ~。私で大丈夫なの」と毎日泣き言を言っていました(笑)。でも、完成した第1話を見たとき、とても新しい感覚で見られるドラマになっていたので、すごくほっとしました。
第2話からは話がどんどん展開していっていたので、とにかく初回に時間をかけていたと思います。サクラは実際にいたらびっくりするぐらい忖度(そんたく)しない人ですが、このドラマはそんな主人公が優遇されないところがリアルでよかったのかな。