――美濃の守護代・斎藤道三の娘である帰蝶は、どんな女性ですか?
激動の時代を生き抜いた女性なので、真の強さがあります。後に信長をコントロールしたりしますが、そういう賢さもある人。凛としていて芯のブレない女性を演じてほしいと演出スタッフの方にも言われましたので、そこは常に心がけています。
――本木雅弘さん演じる道三の迫力はテレビからも伝わってきますが、対峙していていかがですか?
道三と対するのは怖いです(笑)。威圧感とオーラがあり、全てを見透かしているような目で、そこにいるだけなのにこちらが動かされるような迫力があるんです。道三を演じる本木さんを見た時に、「あぁすごいな」と一番に感じました。
――3月1日放送の第7回「帰蝶の願い」では、光秀への気持ちを吐露するシーンもありましたが、帰蝶は光秀のどんなところに魅力を感じているのだと思いますか?
光秀は人を斬らねばならないことに対して違和感を抱いていて、「時代を変えたい」と思っている。そういう責任感のあるところが魅力だと思います。それから、頼まれたらどこにでも行ってしまう優しいところも。もっと知りたいという思いが芽生えるキャラクターも魅力ではないかと思います。
――演じる長谷川博己さんの印象を教えてください。
長谷川さんには本当に助けられています。撮影に入る前から温かいことばをかけていただいたり、すごく気遣ってくださって。現場ではいつも穏やかで、安心感があり、日々癒やされています。
――帰蝶と光秀は、幼少期から仲が良かったんですよね。
光秀と帰蝶は本当に仲の良いいとこ同士だったと思います。幼少期からの家族ぐるみの付き合いだったからこそ、帰蝶には彼にしか見せられない顔があると思うんです。
――しかし、2人が結ばれることはなく…。
生まれた時から斎藤家のお姫さまとして育っているので、政略結婚することは宿命で、帰蝶は断れないと分かっています。第8回(3月8日[日]放送)の嫁入りシーンには、そんな覚悟が映し出されているのではないかと思います。
――帰蝶にとって政略結婚は避けられない道ですが、内心はどうだったと想像しましたか?
お嫁には行きたくないし、光秀とも離れたくはない。第7回で、光秀を信長の偵察に行かせたのはお嫁に行くことを止めてほしいし、止めるのはあなたしかいないと思っているからだと思います。それに「私どうしたらいいの?」と言える相手も光秀しかいなかったと思うので、あのシーンは本当に切ないなと思いながら脚本を読みました。でも、そんな彼に行っておいでと言われてしまう…。本当に切ないだろうなと思います。