テレビでは見られへん、劇場っぽい雑な感じの企画を選びました(亜生)
──今回のDVDには、全20回の放送の中からお二人がそれぞれセレクトした企画が、2巻に分けて収められていますが、企画がかぶってしまうことはありませんでしたか?
亜生:なかったですね。そこは、うまいこと分かれたなと思います。まぁ、お互いに考えてることはだいたい分かるんで。
――選ぶ際のポイントは?
亜生:テレビではなかなか見られへんような、雑な感じの企画は選びましたね。劇場っぽいものというか、「えっ、ほんまにこれ流すの?」っていう(笑)。
昴生:「あれはヤバかったな~」みたいな(笑)。そういうのに限って、思い出に残ってるんで。
亜生:だって普通、こじまラテ(なにわスワンキーズ)が出てるDVDなんて、ありえへんでしょ(笑)。ジャケットにも写真載ってるし。
昴生:ほんまやな(笑)。ミキ、アインシュタイン、トットあたりだけでいいのに、何考えとんねんっていう。
──番組が進むにつれて、ダブルアートのタグさん扮する“FOX EYE”というキャラクターもフィーチャーされるようになりましたね。
昴生:後期はもう、ほぼミキの番組じゃなくなってましたもんね(笑)。僕らよりタグのほうが打ち合わせしてたんとちゃうかな。最後の3週分は全部、FOX EYE出てたし。
亜生:DVDになるっていう打ち合わせのときも、スタッフの方たちから、どうしてもFOX EYEを入れたいって言われて。FOX EYEがなかったら、この番組はDVDになってなかったかもしれないです。
昴生:とは言うても、別に人気があるわけやないんですけどね。会社が勝手に人気あるって踏んでるだけで(笑)。
亜生:ダブルアートなんて、劇場で一、二を争うくらい人気ないですもん(笑)。
昴生:そやのに、特典TシャツもFOX EYEですからね。「BUZZってミキ!」って、どこにも書いてない(笑)。このDVDが売れなかったら、それはもう、タグのせいです。
亜生:前に、タグさんのツイートが、リツイート数2400を超えたら限定動画を流しますって言って、撮ったんですよ。正直、僕らが出てるし、アインシュタインさんも出てるし、すぐに2400くらいは行くやろなと思うじゃないですか。でも、結局2400リツイートまで2年かかりましたからね(笑)。ついこの間、やっと限定動画が公開されて。
昴生:僕らは大好きですけど、お客さんはこれ見て楽しいんかな、とは思いますよね(笑)。でも、タグは芸術家肌なんで、あの動画も、実は1週間くらい寝ずに考えてるんです。
亜生:僕らも一緒に、テープで目や鼻を吊り上げてねぇ。本番の40分くらい前からやってるから、頭痛くなってくるんですよ(笑)。
昴生:だから、一緒にやりたくはないです。見ててあげるから、勝手にやってくれ、僕らを巻き込まんでくれ、と(笑)。僕の結婚式でもやりましたからね、しかも新ネタを。本ネタすべっとんのに、新ネタでウケるわけないやん! 人の結婚式ですべんなよ!
亜生:(笑)。まぁまぁ、このDVDでダブルアートの魅力が伝わるといいですね。お世話になってるんで。
──DVDで初めてこの番組を見る人に、FOX EYEとは何なのか、説明するとしたら?
亜生:とにかくまず1回見ていただいて、そこで感じたことが答えですね(笑)。前情報や予習なしで見てもらうのがいいと思います。
昴生:1回目は副音声とかも聞かずに、まんま見ていただいて。ひとつも笑えへんと思ったら、それが答えやし。ちょっとでも面白いと思ったら、それも答え。そういうもんやと思います、FOX EYEは。タグという男の末路を見てください(笑)。
──ところで、この番組は突然、最終回を告げられたそうですが…。
亜生:そうなんですよ。打ち合わせがあるって言われて行ったら、仲のいいディレクターさんが、お通夜みたいな顔で「終わります」って。
昴生:もうびっくりしましたね、「偉い人から、まだ続くって聞きましたけど」って言うたんですけど…。
亜生:「その方が『終わり』って言ってます」と(笑)。
──また同じような番組をやってみたいというお気持ちは?
昴生:はい、もちろん。大阪の芸人で集まって番組をやりたいっていうのはありますし、東京でも「BUZZってミキ!」みたいな番組ができたらいいなと思いますね。
取材・文=青木孝司
発売中/よしもとミュージック
・Vol.1 昴生セレクション 3000円+税
・Vol.2 亜生セレクション 3000円+税
・初回限定版 (DVD2巻+オリジナル「FOX EYE」Tシャツ) 6800円+税
【HP】http://yoshimoto-me.co.jp/artist/miki/