熱狂を生む“ファン主導の選挙戦”
ファンの直接投票により、メンバーたちを競争させ選抜するシステムは、日本でもAKB48グループの「選抜総選挙」など多くのイベントで見られるが、「PRODUCE 101」シリーズとの一番の違いは、ファンが主導して応援するかどうかだ。
AKB48グループの「選抜総選挙」では、メンバーが日々の握手会などでファンと関係値を築き、選挙期間になるとSNSや生配信でファンへのアピール合戦が行われる。このように“ドブ板選挙”的なメンバー主導の選挙戦が繰り広げられる。(ただし、選挙を辞退するメンバーや積極的なアピールを行わないメンバーも少なくはない。)
一方、「PRODUCE 101」シリーズでは、番組参加者本人によるSNSの投稿はできず、ファンに投票を呼びかけることができない。そのため、ファンたちが自主的に自分の“推しメン”へ投票を呼びかけることになる。
SNSでの宣伝はもちろん、駅構内などに投票を呼びかけるポスターを掲出することも珍しくない。自主的に応援することにより、ファンの“推しメン”への熱がさらに高まることにつながっている。
日本から世界に JO1が見出す新たなアイドル像
そして2020年新たに誕生したJO1。メンバー11人は全員日本人。メークや衣装、曲調などはK-POP的な特徴を持ち、デビュー時から「日本から世界へ羽ばたくグローバルなアイドル」をコンセプトに活動している。
また、ソニーミュージックと韓国の大手芸能事務所・JYPエンターテインメントが主催するオーディション番組「Nizi Project」(ニジプロ)が現在Huluで配信され注目が集まっている。Rain、2PM、TWICEらを手がけたプロデューサー・J.Y.Park(パク・ジニョン)が、13人の日本人候補者の中からグローバルアイドルグループとしてデビューするメンバーを決定する。
この番組でもファンによる応援要素が取り入れられている。番組の公式ホームページで1日1回、好きなメンバーに応援投票することができ、その結果が「虹かけランキング」として順位が発表される。このランキングはデビューメンバーの選考要因になるのではと考えられており、熱心に投票するファンは多い。
このようなファン参加型の日韓合同オーディション番組から、日本のアイドルの価値を底上げする、世界に羽ばたくような新たなアイドル像が誕生するかもしれない。