2021年度前期の“朝ドラ”こと連続テレビ小説「おかえりモネ」(NHK総合)のヒロイン・永浦百音役を、清原果耶が務めることが発表された。清原は現在18歳、ファッション誌「Seventeen(セブンティーン)」のモデルとしても活躍中の美少女だ。国民的女優への道を歩む清原について、フリーライターでドラマ・映画などエンタメ作品に関する記事を多数執筆する木俣冬が解説する。
「あさが来た」「なつぞら」で好演 ファン待望の“ヒロイン”に
連続テレビ小説・第104作「おかえりモネ」のヒロインに選ばれた清原果耶。朝ドラファンにとっては「あさが来た」(2016年)の健気な女中・ふゆ役と、「なつぞら」(2019年)のヒロイン(広瀬すず)の妹・千遥役と段階を踏んで、ついにヒロイン!と拍手喝采の気分である。
「あさが来た」のときの清原のあまりの名演に、いつか朝ドラヒロインになってほしいと熱望した朝ドラファンは多く、ながらく次期朝ドラヒロイン候補ナンバーワンであった。
「あさが来た」のときはまだ13歳で、メインを張るには若すぎた清原。別の役でオーディションを受けたがその年齢の問題で落ち、代わりに幼い女中・ふゆ役を獲得した。
ヒロインあさ(波留)の夫・新次郎(玉木宏)をひそかに想い、妾でもいいと告白する場面は、倫理を越えて胸を打った。終盤、彼女のことをひそかに見守ってきた実直な番頭(三宅弘城)と結婚、幸せになり、それも多くの視聴者に祝福された。
「なつぞら」では戦争のせいで生き別れになったヒロイン三兄妹が20年近くの時を経てようやく再会するも、清原が演じる千遥はひとりで苦労した設定。その間、溜めに溜めた屈折した想いをみごとに表現したうえ、幼い子の母として、小料理屋の女主人にして料理人としてしっかり生き抜いてきた女性を堂々と演じきる姿は十代には思えない貫禄だった。