朝ドラに新たな楽しみ方
近年、朝ドラはヒロインオーディションを行わず、オファー制で、経験のあるしっかりした若手俳優が担うことが増え、それが賛否両論となっている。昔の朝ドラのように、無名の新人が主役でドラマと共に成長していく姿を応援するという楽しみが減ってしまったと残念に思う視聴者もいる一方で、新人教育が以前ほどよくできないなかでの主役は責任が重すぎると心配の声もある。
そういう意味では、清原は今回、オーディションではないものの、俳優デビューが朝ドラ「あさが来た」で、朝ドラ100作記念作「なつぞら」にも重要な役で参加し、満を持してのヒロイン。
「おかえりモネ」ならぬ「(朝ドラに)おかえり清原果耶」という親心のようなものを大いに刺激する仕掛けになっている。
土屋太鳳が「花子とアン」(2014年)の妹役から「まれ」(2015年)のヒロインに。高畑充希が「ごちそうさん」(2013年)のヒロインの義妹役から「とと姉ちゃん」(2016年)のヒロインになったときも話題になったもので、今後も、最初は小さな役で出てきた若い俳優がやがてヒロインとして戻ってくるという出世魚的スタイルを朝ドラの伝統にすることも、朝ドラのひとつの楽しみになると思う。