吉本興業が、YouTuberマネジメントを手がけるUUUM(ウーム)と資本業務提携することを発表するなど、昨今、お笑い芸人のYouTube進出が本格化している。その中で、動画のクオリティーやチャンネル登録者数、再生回数の多さよりも、自らの笑いのポリシーと作品性を重視する独自路線のYouTube戦略を取る芸人が現れている。彼らのチャンネルは、“知る人ぞ知る”なアングラ感が流れ、妙なファンとの一体感がある。そんな“地下YouTube”の魅力をその代表格とも言える三四郎・相田周二の「しゅーじまんチャンネル」から探っていく。
YouTube的なセオリーは無視 でも癒される「しゅーじまんチャンネル」
お笑いコンビ・三四郎の相田周二が3月に開設したYouTubeチャンネル「しゅーじまんチャンネル」。チャンネル登録者数は3.32万人を超え、68本の動画がこれまでに投稿されており(2020年6月4日現在)、「三四郎のオールナイトニッポン」(ニッポン放送)リスナーを中心に、今ひそかに盛り上がりを見せている。
動画の特徴は、一般的なYouTuberのセオリーを無視していること。内容はゲーム実況などの定番ネタから、相田が何かをただ食べているだけ、髪を染めるだけといったものまでさまざま。
どの動画でも、ボケることなく終始テンションは低めでボソボソと話し、テロップや字幕、SEは入らない。さらに、ほぼノーカット映像となっており、動画を回し始めてからゲームの操作方法を調べたり、カメラの前から消えたりすることも少なくない。
見やすくするためにテロップやSEでメリハリをつけ、テンポよく編集する一般的なYouTuberの動画とは一線を画した、独特のまったりしたゆるい雰囲気が流れている。(一方で、動画サムネイルの編集は手が込んでいる)
このテレビやラジオ出演時とは異なる、“素”の雰囲気の相田に癒される視聴者は多く、「見ていて落ち着く」「なぜか心地良い」「クセになる」などのコメントが寄せられている。
また、視聴者からのコメントほぼ全てに相田が“ハートマーク”を付けるなど、ファン思いな一面も垣間見れる。