人気が止まらない韓国ドラマ「愛の不時着」、ここがすごい!<ドハマリする5つの要素>
5)アクションシーンや海外ロケの本気度に満足
北朝鮮が舞台となるこのドラマ。その風景はほとんどの人にとって未知の世界だが、本作では韓国内での撮影やモンゴルなどの海外ロケによって、その世界観を構築。まるでライトノベルで流行する“転生もの”のように、セリと共にひと昔前のアナログな生活を疑似体験できる。
中でも、セリとジョンヒョクの乗った列車が停電で10時間も停まってしまい2人が草原で夜を明かすくだりは、この舞台設定ならではのロマンティックなシーンに。国境近くで繰り広げられるトラックやオートバイを使ったアクションも映画並みの迫力で、クオリティが高い。
毎回差し込まれるスイスロケの映像もスケール感をアップさせている。美しい山と湖に囲まれたその土地は、かつてセリが旅行し、ジョンヒョクが留学していたという設定で、そこで2人の運命は交錯していた。そんな奇跡が伏線としていくつも散りばめられているので、さすがに「遠い国でそんな偶然、何度もある?」とツッコミも入れたくなるけれど、北朝鮮の人も比較的自由に滞在できる永世中立国は、このドラマにとって欠かせない舞台になっている。
制作会社は映画「パラサイト 半地下の家族」のCJエンタテインメントと同じ資本のスタジオドラゴン。「国境を超えた愛」というこれまでなかった大胆な設定を、コストをかけてきっちりと描ききり、韓流ファンもそうでない層を満足させた手腕はお見事というしかない。2020年、必見の一作だ。
小田慶子