「クリエイターズ・ファイル」特別編 YOKO FUCHIGAMI 特別独占インタビュー
この時期だけ、惑星たちにもディスタンスを
――現在滞在中の島にはモデルもいなくて、たった一人だとお聞きしましたが、どう作業を進めていますか?
外に出て、離島に服を着せています。大地にデニムを貼ったり、木々に蝶ネクタイをつけたり、鍾乳洞にレギンスをはかせたり、地球自体にお洒落をさせてあげています。地球は宇宙から見れば、きれいな青い色をしています。元々、地球は青いドレスを着ている。これはとても素敵なデザインですが、たまには別のファッションも試したいはずです。
――やはり、自然との調和を大切にされているということでしょうか?
自然がいちばんです。私はうんちをしてもお尻は拭きません。
――最近では、みなさんマスクをしていますが、ファッションにどう取り入れるべきでしょうか?
お洒落なマスクなどはたくさん出ていますが、重要なのはマスクの下の口が重要です。もっと口元をコーディネートするべきなのです。口元にカレーをつけたり、牛乳がヒゲのようになったり。極上の美女とすれ違ったとき、男性はマスクの下でベロを高速に動かしてもいいのです。マスクをしていれば何をしていてもバレない。今がチャンスなのです。
――YOKOさんは、日常のハプニングをファッションに転化させることでもよく知られていますね。
ありがとう。日常生活の中で自然に生まれた柄が一番のデザインなのです。KOBOSHIというセカンドブランドは、白いシャツにカレーをこぼして、シミになったしまったことがきっかけで生まれました。1カ所のシミだけだと汚れですが、あえてまわりにもカレージミをたくさんつけることにより、模様になるのです。
――セカンドブランドが1日に4つ増えていらっしゃるそうですが、最近ではどんなものを作られましたか?
最近ですと、FUCHIGAMI DISTANCEという新ブランドを立ち上げました。人が近づけないように鉄でできた長い針が放射状に伸びているベルトや、密集すると電流が流れるウエストポーチなどを制作中です。ただ、私の考えとしては、人と人との距離だけとってもダメだと思うの。地球と他の惑星の距離もとってあげなきゃね。先日、私はNASAの人に提案したの。この時期だけ、惑星たちにもディスタンスをとらすべきではって。初期設定の問題だと思うんですよ。水……金……地……火……ってね。その方が隣の金星も安心するでしょ。
――最後に、世界のYOKO FUCHIGAMIさんから読者の皆さまにメッセージをお願いします。
とても困難な状況ですが、長い目で見たときに、私たちは、どの世界に行っても共通の話題を手に入れたというのは大きいことだと思います。あとから、大変なときあったよねと語り合える、全世界共通のトークお題を共有したわけですから。会話のときの沈黙が発生することは今後ないでしょう。この機会だからこそ、お互いに新しいことに挑戦しましょう。そして、人類がウイルスを撃退した暁にはWINというセカンドブランドを出したいと思っています。