新浜「初めての感覚でした」
――さて、2ndシングルの「君を求めて」が7月1日にリリースされました。イントロのギターがかっこいいですね!
そうなんですよ! ギターが歌っているというか、泣いているというか…初めての感覚でした。
――馬飼野康二さんが作曲と編曲を担当。
馬飼野先生は僕の憧れでもある西城秀樹さんの楽曲をたくさん手掛けられた方なので、歌い手としての夢が一つかないました。
――レコーディングを含め、馬飼野さんとお話をする機会はあったんですか?
実は、今回の曲を頂く前にお会いする機会があったんです。その時に今の僕と同じ24歳の頃の秀樹さんがどんな感じだったのかお伺いしたら「秀樹はねぇ~」って、いろんな話をしてくださったんです。うれし過ぎてすごく興奮しました(笑)。
馬飼野先生に僕のデビュー曲を聴いていただき、これまで僕がどういう生活をしてきたのかという話もしました。馬飼野先生は新御三家(郷ひろみ、西城秀樹、野口五郎)の皆さんの話をしてくださって「レオンくんが3人の中で誰に似ているかと言ったら、やっぱり秀樹かな」と仰ってくださって。その言葉を聞いた時はめちゃくちゃうれしかったです。
――そうやって馬飼野先生とお話をしたことが今回のシングルにつながったんですね。
ちょうどコンサートでカバーをする予定があったので秀樹さんの「ブルースカイブルー」を馬飼野先生の前で歌わせていただきました。
僕は秀樹さんのことを心からリスペクトしているので、どうしても歌い方が似てしまうというか、寄せてしまうんです。でも、馬飼野先生から「秀樹は秀樹だから。1回聴いただけでもレオンくんの良いところはたくさんあると思ったから、そこを伸ばしていこうよ」というアドバイスを頂いて。これもすごくうれしかったです。
僕の話を聞いたり、歌を聴いたりしながら“新浜レオン”の良いところはどこなのか。馬飼野先生はいろいろ探ってくださいました。それが「君を求めて」という曲につながったのかなと思います。
――レコーディングはどういうふうに行われたんですか?
最初は仮の歌詞をつけながら歌っていたんですけど、馬飼野先生から「ここ歌いづらい? 歌いやすいようにメロディーを変えようか?」って言われて。決まっていた曲の流れを、僕の個性が出やすいように微調整してくださったんです。
それを繰り返しながら完成したのが今の曲。馬飼野先生からすてきな曲を頂いたので大切に歌っていきたいです。
――歌う時のポイントはどんなところですか?
「君を 君を 求めて」のフレーズは、ここからインパクトを与えるという意味で「君~を 君~を」といった感じで少し抑揚を多めにつけたり、タメを大きく取っていたんです。
やっぱり、ずっと演歌を勉強してきましたから。だけど、その歌い方だと馬飼野先生のリズムに対して少しだけズレが出て来てしまうんです。
全体的にもたついた印象になってしまうので、できるだけテンポ良く言葉を切っていくようなイメージで歌うことを心掛けています。馬飼野先生の華やかなメロディーラインに合わせてあまり熱くなり過ぎず、僕のキャッチフレーズでもある“うっとりボイス”を生かして(笑)、肩の力を抜きながらサビに向かって歌っていくところがポイントです。
――そして、もう一つのオリジナル楽曲が「佐原の町並み」。こちらは長戸大幸さんが作詞と作曲を担当されています。
この曲も先に歌詞とタイトルがない状態で聴きました。何となく海、湘南といったイメージを自分の中で想像していたんです。でも、あとから来た歌詞を見てびっくりしました。
「えっ、佐原って何?」って。まさか千葉県香取市の佐原の町並みが書かれた詞が入るとは思っていなかったですから(笑)。佐原は小学生の頃から遠足などでよく行っていた場所でもあるのでうれしかったです。
デビューしてからもレギュラー番組「はじめまして!僕、新浜レオンです!!」(毎週月曜夜9:00-9:30、チバテレ)のロケで行かせていただいたすてきな場所。
小江戸の風情もそうですし、佐原の町の皆さんが本当に温かくて。佐原の町全体をみんなで盛り上げていこうという気持ちを強く感じました。勝手に縁を感じていた町が、まさか楽曲という形でつながるとは思っていなかったので驚いています。
この「佐原の町並み」も僕にとって大事な一曲。佐原という町を知っている人も知らない人も、この曲を聴いていろんな情景を思い浮かべてもらえたらなと。そして、たくさんの人に佐原のことを知っていただけたらうれしいです。
――オリジナル以外に「通常盤A」では、野口五郎さんの「私鉄沿線」をカバーされていますね。
実は、Beingに所属することが決まって最初にレコーディングした曲が「私鉄沿線」だったんです。スタッフの方から1曲目は何を歌いたいか聞かれて迷わず選択しました。ずっと大切にしてきた曲なのですごく思い入れがあります。
以前「うたコン」(毎週火曜夜7:57-8:42、NHK総合)という番組で野口五郎さんとデュエットする機会があって、夢のような時間を過ごすことができました。
本番前のリハーサルが終わった後、楽屋に呼んでくださって「聴いたよ。いい感じで歌ってくれてありがとう」と声を掛けられたんです。僕がYouTubeで「私鉄沿線」のカバーをしていた動画を見てくださっていたんです。
デュエットでは僕がちょっと下のパートをハモっていたんですけど、五郎さんから「最後はハモらなくていいからユニゾンで一緒に歌おう」と言われて。本番で歌い終わった後に握手をした時の感動は忘れることができません。
僕の人生を変えた一曲だと思っているので、今回はアレンジを少し変えて自分の声でハモりを入れながら収録しました。
――「通常盤B」のカバー曲は坂本九さんの「上を向いて歩こう」ですね。
YouTubeで「新浜レオンの歌ってレオン♪」というオリジナル番組があって、そこでは皆さんからのリクエストを基にいろんな名曲をカバーしているんです。「私鉄沿線」もその番組で歌っているんですけど、この「上を向いて歩こう」は自分が選択した曲。ピアノとギターのみというシンプルなアレンジです。
ここ数カ月、ずっと自粛期間が続いていたので前を向いてみんなで明るい光をつないで頑張っていこうという思いを込めて歌いました。