菊池「クラブでもめるシーンとかは手本を見せましたね」
――本編では演技というよりも彼らの素の部分が出ていたのかなと思いますが、その中で演技指導などはされましたか?
菊池:そうだね、クラブでもめるシーンとかは僕が1回手本を見せましたね。最初は照れくささがあったけど、でも途中からは4人とも役に入ってましたね。何カットも撮り直したシーンもあったけど。
岡田:僕から見ると、かける言葉を選んでいたよね。普通の役者さんならストレートに伝えればいいんだろうけど、そもそも彼らは役者じゃないからすぐに改善できないし。ある種遠回りの言い方で、彼らの素の動きが菊ちゃんの思う「ライン」に乗るのを待っている感じがしましたね。
菊池:あと、コール&レスポンスで演出もしたね。僕が最初こう言ったら同じように言わせる。そもそも芝居をつけてテイクを重ねられないので、彼らがしゃべっているシーンでは2カメで撮ってるんです。切り返すことができないから。一応彼ら用に準備はしておきましたね(笑)。
――スケートのシーンももちろんですが、音楽もすごく印象的でした。これもお2人で決められたんですか?
菊池:そうそう。最初僕がリファレンスでありものの音楽を充てていて、「ここはこういう雰囲気だよね」とかって話し合ってね。
岡田:でも、仮の音楽がめちゃくちゃ有名のいい曲をバンバン充てて(笑)。そりゃいいよねって(笑)。
菊池:そうだったね(笑)。全体の音楽はもちろん今活躍されている方の音楽も使っているけど、映像・演出的な部分の音楽では、ビート的、躍動的な部分はLIBLOくんにお願いして、感傷的な、エモーショナルな部分は、GOING UNDER GROUNDの松本(素生)くんにお願いして。
岡田:結構多大に協力してもらったよね。
菊池:そうだね。あと一番好きなのは、3年前を振り返っているシーンに流れる音楽です。あれは僕が鼻歌で歌ったものを送って作ってもらいました。
――特に力を入れたシーンはありますか?
菊池:仮想現実の部分かな。
岡田:そうだね。プールに落ちるシーンは、本当にいいコントラストになったよね。菊ちゃんも潜ってたし、海斗も何回も沈んでたね(笑)。
――でもあのシーンのおかげで、よりKの気持ちが分かりますよね。
菊池:そうだね。あと何度も階段で技にトライする涼も見てほしい。本当は最初脚本に入っていなくて。失敗しても何度も繰り返しやる部分に撮影中すごくグッときちゃって。
岡田:撮影時間もあんまりなくて。あれはハードフリップっていう技に挑戦してるんですけど、あの階段の高さとかでその技を決めるのは、プロのスケーターが見ても「すごい技を決めた!」って思うくらいの技で。
最初はもっと簡単な技にするかって話もあったんですけど、どうしても僕がこの技じゃないとだめだ!って譲らなくて。
菊池:ずっと言ってたね(笑)。
岡田:ここで簡単な技をやっちゃうと、もうこの映画の意味がなくなっちゃうからこの技にして!って。涼にもかなりプレッシャーかけちゃって(笑)。でも、涼も「やります!」って言ってくれて。
菊池:本当に乗るのかな?って心配してたんだけど。でも涼が失敗してから次トライする時に「次乗ります!」って言うの。それがすごくて。簡単に言えないことなのにそういえる涼がすごかった。
岡田:僕からするとあのシーンに、「これがスケートボードなんだ」って部分がギュッとつまってるんです。
――最後に、公開を楽しみにしている読者の方へ一言お願いいたします。
岡田:これは出てくる4人だけ物語の中を進んでいますが、背景は本当に全部リアルなので。大会も出てくる人たちも本当のプロスケーターの方なので。これをスケートの攻略本として見てもらえたら。
菊池:そうだね、バイブルに。あとこの映画をみて「恋したいなーー!」って思ってくれたら…。
岡田:思わないでしょ(笑)。
7月24日(金)より東京・TOHOシネマズ池袋ほか全国ロードショー
出演:中田海斗、佐川涼、松本崇、日高大作レイ、サイプレス上野
監督・脚本:菊池久志
原作・プロデュース:岡田晋
撮影:菊池久志
照明:入尾明慶
録音:鎌田隆宏
サウンドデザイン:徳永義明
制作:丸山めぐみ / 岩本桃子
配給統括:宮崎聡 宣伝プロデューサー:芥川志帆 / 中村陸真
主題歌 : LIBRO / ポチョムキン(餓鬼レンジャー)/ Bose(スチャダラパー)/ CHOZEN LEE(FIRE BALL,THE BANG ATTACK)
配給:ギグリーボックス 制作:エイトピクチャーズ
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