公開作品続々!北村匠海「今まで頑張ってきて良かったなと思うことが多くなりました」
バンド・DISH//のメンバーである(矢部)昌暉と一緒にいましたから(笑)
――朱里と理央、由奈、和臣それぞれの切ない片想いが描かれる今作。匠海くんはこの4人の中で、もっとも共感したキャラクターは誰でしたか?
北村:やっぱり理央かな。周りのことを考えて、ちゃんと素直になればいいのに素直になれないところとか。一方で、不器用だから故に、周りが見えなくなってデリカシーのないことを言っちゃったりして。人のことに関しては周りがよく見えるのに、自分のことになった途端、周りが見えなくなって突っ走ってしまう理央の性格は、分かるなぁと思う部分がたくさんありました。
――映画を見ていて、片想いの切なさに胸がぎゅっとなると同時に、かつてできなかったこと、やり残したことなど、ほろ苦い思い出が蘇ったりもしました。匠海くんも自分の高校時代を思い出したりもしましたか?
北村:思い出しました。もっといろいろ楽しかったはずなのに……って。
――というのは?
北村:4人の中で僕がいいなと思ったのは、理央と和臣の関係性なんです。自分が高校生の頃は、すでに仕事をしていたこともあって、彼らのような男同士の友情ってあまりなかったなぁって。僕の場合、ずっと(自身がボーカルを務めるバンド・DISH//のメンバーである(矢部)昌暉と一緒にいましたから(笑)。
――昌暉くんは友達でもあり、仕事仲間でもありますもんね。
北村:そうなんです。だから、学生生活の中で理央と和臣みたいな男同士の友情ってなくて。当時は当時で楽しかったけど、あの2人の関係みたいな友達がいたら、僕の学校生活はもっと違ったはずだ!ってちょっと悔やみました(笑)。でも、それこそ昌暉がいたから心強かったんですけど。
――匠海くんの10代は……。
北村:昌暉と共に、です(笑)。
――(笑)。ちなみに、登場人物の4人は同じマンションに住んでいますが、匠海くんが今、同じマンションだったらいいなと思う人は?
北村:(伊藤)健太郎が同じマンションだったら楽しそうだなぁと思います。お互い忙しくて、意外と会えない人でもあるので。同じマンションだったら、ちょっとご飯食べようとか、映画観ようとか、それこそ理央と和臣みたいなことができるんじゃないかなって。
――スパイスカレーも作ってあげられますしね(笑)。
北村:そうですね(笑)。今まで友達と同じマンションに住んだ経験はないですけど、地方に撮影で行った時みたいな感じなのかな?と思うと、楽しそうだなって思います。その時は、屋上があるマンションがいいです(笑)。
――今回の「思い、思われ、ふり、ふられ」は、どんな人に観てもらいたいと思いますか?
北村:この映画は高校生はもちろんのこと、僕みたいに学生じゃない大人が観ても、過去にやり残してきたことに気付いたり、気持ちを伝える大切さをあらためて感じさせてもらえたりします。特に学生のみなさんは、なかなか友達に会えなかったり、目標としていた大会が中止になってしまった人も多いと思うんです。そんな風に、誰かに想いを伝える機会を不可抗力で逃してしまった人や、没頭してきた3年間をぶつける機会がなくなってしまった人たちに届いてほしい。コロナ禍で大変な今だからこそ、たくさんの方に何かを感じ取っていただきたい作品です。