横浜流星は流す涙も美しい 見えてきた“椿の真心” <私たちはどうかしている>
横浜流星が浜辺美波とともにW主演を務めるドラマ「私たちはどうかしている」(毎週水夜10:00-10:54、日本テレビ系)の第3話が8月26日に放送された。少しずつお菓子への思い七桜(浜辺)への気持ちの変化を見せ始めた椿(横浜)。七桜との出会いをきっかけに、ゆっくりと、だが着実に変わっていく椿の心情を、横浜が丁寧に表現している。(以下、ネタバレがあります)
15年の孤独を癒やす涙
同ドラマは、安藤なつみによる同名漫画が原作。老舗和菓子店・光月庵を舞台に、和菓子職人の花岡七桜と店の跡取り息子・高月椿の恋愛模様をサスペンスタッチで描く。
七桜がかつての少女・さくらであることを光月庵の女将・今日子(観月ありさ)に知られてしまった第3話。一方、椿は七桜への不信感をむき出しにしていたが、お菓子の世界に打ち込む七桜を見て考えを変えていく。
ここでカギになるのが、光月庵のお家事情だ。椿を“嘘つき”呼ばわりし、孫として扱おうとしない祖父・宗寿郎(佐野史郎)。事件以来15年、椿の作った菓子を口にすることもなかったが、椿が七桜と力を合わせて作り上げた茶菓子“落とし文(おとしぶみ)”をそっと味わい、「まだまだだな」と愛情をにじませた。
祖父に自分の作ったお菓子を食べてもらいたい一心で過ごしてきた15年。その願いが通じた瞬間、椿の目からは涙がこぼれた。
15年間の悲しみ、憎しみを清め、孤独を癒やす涙。本当はこれまでも、宗寿郎は椿の作ったお菓子を食べていたのかもしれない。ドラマではそこまでは描かれていない。ただただ、自分のお菓子を宗寿郎が口にするのを目にしたこの場面が、椿にとって特別な瞬間だったという事実。それが理屈抜きで伝わってくる、美しくも尊い涙だ。