【インタビュー】GENICのメンバーが振り返る、デビューから激動の1年
今年5月にメジャーデビューを果たした7人組ダンス&ボーカルユニット・GENIC。彼らは昨年夏、12人の期間限定ユニット・a-genicとして活動し、その中からGENICの正式メンバーに選ばれ、スタートした。そんな彼らに、a-genicからコロナ禍真っ只中でのデビューとなったこれまでの激動の1年を振り返ってもらった。
──最初にGENICのきっかけとなったa-genicの話から聞かせてもらえたらと思います。a-genicは「全員仲間、全員ライバル!」をテーマに12人の中から正式メンバーを決めていくための期間だったと思うのですが、今振り返るとどんな期間でしたか?
西澤呈 気持ちの強い人が集まっていたので「気持ちだけは負けない」と気を張っていました。あと僕は前のグループのときに「年上メンバーに任せっきりだったな」と反省したので、今回は責任感を持って活動しようと決めていて。積極的に意見を言うようにしていました。「うるさい年下」って思われてたかもしれないけど(笑)。
西本茉生 逆に僕はメンバー最年長。年齢的に「これがラストチャンス」と思って挑んでいたんですけど、一方で「落ちたら落ちたで、受かったら受かったで」と思っていて。でもやっていくうちにどんどん「ここに骨を埋めたい」くらいの気持ちになっていきました。それからは正式メンバーに残るためにはどうしたらいいかを全力で考えるようになって。あの時期は人間的にもスキル的にも一番成長できた気がします。すごく濃かったですね。
金谷鞠杏 女子メンバーで最年長だった私も、グループに入れるチャンスは今後もうないだろうなと思っていたので、「絶対に受かる」という気持ちでいました。品のある女性らしさを出すためにはどうしたらいいのか、“男の子の中に女の子がいる”という状況でどう見られるのか。常に自分がどう見えるかということを意識して、発言などにも気を配っていました。
雨宮翔 僕はダンサーだったので、歌の経験はあまりなくて。短期間での成長を考えたら、得意なものを伸ばすほうがいいかなと思い、ダンスでの魅せ方に注力しました。
小池竜暉 僕は翔と同じグループで、ダンス&ボーカルのポジションだったので、その経験を活かそうと思いました。実際に歌について相談してくれるメンバーもいて。心のどこかで「敵に塩を送る」という感覚もありつつも、グループ全体の歌のクオリティを上げるために奮闘しました。
宇井優良梨 私はみんなに比べて経験が少ないので、最初はすごく不安でした。でも「こんなネガティブな気持ちじゃ絶対に受からない」と思い、気持ちを強く持つようにしました。ジャズダンスの経験を生かした身体の使い方を考えたり、最年少らしいフレッシュさを前面に出してみたり。努力していく中で自信もついたし、純粋に活動が楽しくなっていきました。
増子敦貴 僕は俳優として舞台に出演させていただくことも多かったので、その経験を生かして「この人がいれば心強い」という存在になろうと思っていました。ただオーディションの時期にミュージカル「テニスの王子様」に出演していて、a-genicのライブに2回しか参加できなかったんです。a-genicに120%で挑んでいるメンバーの姿を見ると「自分はここにいていいのかな」という気持ちにもなってしまっていました。そんなとき茉生くんに「敦貴の本気のダンス&ボーカルが見たい」と言われて。
西本 覚えてたんだ。
増子 覚えてるよ!
西本 敦貴の人生だから「絶対にa-genic一筋になってほしい」とかそういう思いではなかったけど、「みんなに申し訳ない」みたいな気持ちでいたから、それは違うんじゃない?っていう話をしたんですよね。
増子 それを言われた翌日のライブではステージがすごく特別なものに思えて、気持ちを入れ替えることができました。
──「全員仲間、全員ライバル!」というテーマの通り、ただ正式メンバーに選ばれるために自分だけが努力すればいいというわけでもなかったと思います。a-genicとして良いステージを見せる必要があって。
雨宮 a-genicは全員ライバルだったけど、グループとしていいライブを見せるということが大前提だった。その頃に学んだ、一つ一つのことを大切にするという気持ちはGENICになっても続いています。
増子 12人で切磋琢磨していたおかげで、今もメンバーに対してライバル心を持って頑張れているんだと思います。
──12人いたa-genicから7人が正式メンバーとして選ばれました。翔さんが幼馴染のTENさんと別々の結果になってしまったり、うれしい反面、複雑な別れも経験したことだと思います。
雨宮 てんてんはすごく悔しかっただろうし、俺はその分もがんばらなきゃなという気持ちになりましたね。てんてんに言われた「がんばってね」という言葉は今も僕を支えてくれています。
金谷 私は知ってる期間が一番長かったのがANRIで。メンバーが発表されてすぐはどう対応していいかわからなかったんですけど、ANRIから「がんばってね」って声をかけてもらって。今でも連絡を取ってるんですよ。お互いを高め合える存在です。
西澤 GENICとして名古屋でイベントをやったとき、SHUNTOが見に来てくれたんです。笑顔で「よかったよ!」って言ってくれて。自分が逆の立場だったら素直に「よかったよ!」とか「がんばってね」って言えないかもしれないなと思っていたのでSHUNTOはなんて心が綺麗なんだろうと思いました(笑)。彼は今、曲作りとかもしてるみたいなので、いつか何か一緒にできたらいいなと思います。
──その後、GENICは2019年11月に1stEp「SUNGENIC ep」、2020年2月に2ndEP「MOONGENIC ep」をリリース。5月27日にはアルバム「GENEX」でメジャーデビューを果たしました。しかし世間はコロナ禍の真っ只中。6月から開催予定だったツアーも中止になるなど、もどかしいことも多かったんじゃないでしょうか?
増子 そうですね。ツアーのあとのこともいろいろ計画していたので残念ですし、「大切な1年目なのに」と悔しい気持ちはありますが仕方がないので。「この期間があってよかった」と思えるように過ごしています。
西澤 インスタライブをやってみたり、竜暉くんとTwitterのやりとりだけで曲を作ってみたり。デジタルネイティブな僕らだからこそできることを探す時間にしていました。
──今、西澤さんからお話もありましたが、GENICは楽曲制作や振り付けなど、メンバーがクリエティブな面でも力を発揮できるという強みもありますよね。「MOONGENIC ep」収録曲「UPDATE」では小池さんと西澤さんが作詞作曲、雨宮さん・西澤さん・西本さんが振り付けを担当しました。
増子 曲も振りも、僕、メンバーが作ったって知らなくて。振り入れが終わってから聞いたんです。「すごい!」って衝撃的でした。
西本 「メンバーが作った」と聞くまで気付かないというのは、プロの方に提供いただいたものとなんらクオリティに差がないものということ。すごいことですよね。そういうものをメンバーが作れるというのはとても心強いです。
金谷 メンバーだからこその目線が曲にも振りにも入っているんですよ。同世代ならではの感性も感じて。新鮮だし、“みんなで作っている”という感じがしてすごくうれしいです。
小池 デモの段階では自分の声だけなので、メンバーの声が入ると、“7つの色”が加わった感じがして感動的。作るときにはメンバーの顔を思い浮かべているので、みんなが歌詞の意味を理解して歌ってくれるのはうれしいです。これからもメンバーに寄り添った楽曲を作れたらと思っています。
宇井 アルバムに入っている「TOGETHER」という曲では、全員で作詞をしました。私はそれが初めての作詞で。普段いろんな感情になっているのに、それを歌詞にするのってすごく難しいなと思ったんです。だからそれをたくさんやってる竜暉くんと呈くんってすごいなと思いました。でも作詞するの、楽しかったです!
小池 曲のテーマとして「TOGETHER」だけもらって、みんなで歌詞を書いていったんですけど、何も話し合ってないのに、最初にそれぞれが書いてきた歌詞の内容が自然とつながって。ほぼ書き直しとかしてないんですよ。
西澤 みんなの歌詞を竜暉くんがまとめてくれたんですけど、語尾をちょっと変えるとか、ほんのすこしの調整が絶妙で。竜暉くん、天才でした(笑)。
小池 やめろよ!(笑) 自然とみんなの歌詞に一貫性があったから。あとは本当にみんなの歌詞がよかったからです。
宇井 ファッションや舞台演出に興味のあるメンバーもいるので、これからは楽曲以外に、ライブにもメンバーが関わっていけたらと思います。
増子 僕たちにはドームツアーという目標があって。この目標はめちゃくちゃデカくて、めちゃくちゃ遠い。たどり着くためにはとにかくストイックに貪欲に進むしかないです。
西本 「エイベックスのDNAを継承する」という名目で始まった僕らなので、やるしかないんです。僕はGENICを「アベンジャーズ」みたいなグループだと思っていて。一人ひとりが強いけど、7人が集まるともっと強い。今回「次世代スター」の企画で特集をしていただきましたが、数年後に「特集しておいてよかった」と思ってもらえるようになりますよ。
増子敦貴(ましこ・あつき)2000年1月5日生まれ、福島県出身
西澤呈(にしざわ・じょう)2003年2月28日生まれ、神奈川県出身
雨宮翔(あめみや・かける)2001年8月9日生まれ、神奈川県出身
西本茉生(にしもと・まいき)1998年10月19日生まれ、岡山県出身
金谷鞠杏(かねや・まりあ)2001年12月31日生まれ、秋田県出身
小池竜暉(こいけ・りゅうき)2000年8月11日生まれ、群馬県出身
宇井優良梨(うい・ゆらり)2004年12月26日生まれ、愛知県出身
★公式サイト
https://avex.jp/genic/
【別冊カドカワScene03】にてインタビュー掲載中‼
https://www.kadokawa.co.jp/product/322007000582/