斎藤工「完全なる一目ぼれでした」“若き才能”に感銘<PFFアワード2020>
斎藤「大いなるキッカケを持ち帰っていただきたい」
斎藤は「表彰式で長いスピーチをすると二度と呼ばれないというウワサを聞いたので短めにします」と会場を和ませた後、「『自分の作品がグランプリじゃなかった』とか『この17作品に選ばれなかった』という人たちも大いなるキッカケを持ち帰っていただきたいと思います。
キッカケがあると、悔しかったキッカケもそうですし、評価されたり報われたキッカケもあると思いますけど、次の座標に向かえると思うんです。私事ですが、いろんなことを周りが決めていくんですね。気が付けば“セクシー俳優”みたいなところにいて、そんなつもりはなかったんですけど(笑)、『あ、じゃあそれで』って受け入れて。
自分の中になかったつもりの“地点”を頂いたので、そこから手を伸ばしたところにある座標があったりしました。皆さんも今日もらったキッカケを持ち帰ってください」とエールを送った。
古厩は「独りぼっちで作ってるような作品が多くて、コミュニケーションが取れてるものが少ないなぁって審査会でも言ってました。映画にはコミュニケーションがないといけないんです。でも同時に、映画はすごく不健全で一人の手遊び、独りぼっちの世界というところが必ず不可分であって、どっちもどっちなんです。『映画ってそういうものなんだな』って見ながら改めて思い出したりもしました」と初心を思い出したとコメント。
その他、樋口と平松も総評を述べ、表彰式は幕を下ろした。
なお、9月26日(土)の「第42回ぴあフィルムフェスティバル」最終日にグランプリ作品「へんしんっ!」、準グランプリ作品「屋根裏の巳已己(みいこ)」が国立映画アーカイブで上映される。
また、「PFFアワード2020」入選全17作品が10月31日(土)まで「DOKUSO映画館」(国内最大級のインディーズ映画配信サイト)と「uP!!!」(KDDI×ぴあによるエンタメサイト)で期間限定配信されることも決定した。
取材・文・撮影=田中隆信