――脚本を読んだ感想はいかがですか?
この物語には悪役がまったくいないんですよ。みんなが優しくて思いやりのある心温まるお話です。私が演じる茜と同僚の緑川は作品にスパイスを足す梅干しみたいな役どころで、茜は思ったことを口に出すタイプ。
そのせいで最初はハルから避けられてしまうんですけど、仲良くなりたくてめげずにアタックし続けたことで親しくなっていくんです。
見た目はギャル風なんですけど、どこか真面目で誠実に人と向き合う姿がハルの心にも届いたんだと思います。
――役作りはどのようにされましたか?
クランクインまでの期間が短かったので、お話を頂いた時に個人レッスンをお願いして、レッスンの先生とマンツーマンで茜像を作っていきました。
それから監督とお話をした時に、茜はテンションが高いので声も高めのイメージだとお話しされていて、私はどちらかというと声が低い方だと思っているので全体的にキーを上げることにしたのですが、聞こえづらくなってしまうと意味がないので、地声と裏声の中間を出すように練習しました。
普段の生活からそういう話し方に変えたので、親からは変に思われていましたけど、自然に出せるようになったので役にはちゃんと入れたと思います。自分の声を役で意識したのは初めてでした。
――監督から他に言われたことはありますか?
茜は活発なんですよ。行動が大げさなので大胆にやってほしいと言われて、でも内に秘めている思いは誰よりも強いんです。この子と仲良くなりたい、この子のことを知りたいという思いがあるからこその行動だと思っているので、そこを忠実に表現できたらと思いました。
――役としては演じやすいキャラクターでしたか?
演じやすかったです。私も普段から明るくゲラゲラ笑ってしまうタイプなので、茜のテンションが高い部分は似ているなと思いました。
でも、私は思ったことを口に出す前にいったん考えるタイプなので、茜のすぐに口に出してしまう性格とは違いますね。
ただ、茜は己を貫くタイプなので好きになりました。仲良くなって一緒にご飯を食べた時にハルが食べている姿をずっと見ている姿が茜らしいなと思っていて、気になっている人のことをずっと見てしまうんですよね。空回りすることもあるんですけど、めげずに頑張るので努力型なのかなって思います。
――森さんは努力が得意な方ですか?
負けず嫌いではあります。テストはコツコツできるタイプではなく追い込まれたらやるタイプなので、茜の努力型には憧れます。
――撮影現場の雰囲気はどうでしたか?
この現場で私は最年少だったので皆さんが妹のようにかわいがってくださって、主演の吉谷彩子さんも気さくに話し掛けてくださいました。
今まで距離感が近い現場というのをあまり味わったことがなかったんですけど、とにかくここはキャラクターと一緒で皆さんが優しかったです。
緑川を演じている矢島舞美さんは、自分の趣味や私が知らないことを教えてくださって、でも機械が苦手なのでLINEの交換の仕方は私が教えたりして、それが作品の中でも2人の良い掛け合いにつながっているのかなと思います。
――矢島さんとはどんなことをお話しされましたか?
とてもアクティブな方で、お休みがあったらダイビングや釣りに出掛けるそうなんです。私はお休みの日は休んでいたいタイプで、家でゴロンとしていることが好きなんですけど、「楽しいんだよ」ってその時の動画も見せてくださいました。
あとアクションの練習を良くしているそうで、細いスレンダーな体からは想像ができないくらい激しい動きをされていて、「ストレス発散になるよ」って私の知らない世界を教えてくださいました。
――教えてもらった中で、やってみたいと思ったものはありますか?
アクションの練習はやってみたいです。やっぱりカッコよくて、倒したり蹴るシーンをドラマで見ると自分でもできたらいいなと思うし、私がやっているキックボクシングはエクササイズに近いものなので、もっと激しいアクションのようなものにも挑戦してみたいです。
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「ハルとアオのお弁当箱」
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