真矢ミキ「この作品は、“人生のバイブル”。定期的に私を正してくれる」<さくらの親子丼>
真矢ミキ インタビュー
――撮影も快調に進み、「さくら」として生きる忙しい日々が続いています。
さくらを演じるほど自分と一体化してくる気がします。私自身もどこまでがさくらで、どこまでが自分か分からなくなってきたと思うことが多いですし、この役は、撮影現場でさくらを演じているだけでは、視聴者の皆さんに何かが見えてしまうものがあると思います。「さくらの親子丼」は、どこか私を正してくれますし、定期的に“人生のバイブル”のように台本がやってくる(笑)。さくらのように本職以外で、何かの役に立てないかと思うことも多くなりました。
さくらに関してはどんな映り方をしていても、どう見られてもいいと思っています。逆に言うと自分を知ることができる時間のような気もしています。それはいいことばかりではなく、「年を重ねた顔つきになってきた、私って今こんな感じなんだ…」と思うことも(笑)。カメラの中のさくらは生身の自分のような感じがします。
――シリーズ化にあたり、どのようなところが視聴者の方に共感、支持されていると感じられますか?
時代と合致していることだと思います。平成から令和、コロナ禍でさらに虐待や育児放棄などのニュースを拝見するたびに、またさくらに出会えることの必然性を感じています。シリーズを通してさくらも私もお互いに成長させていただいていますし、それが色濃く見える作品です。
――前作と違うと感じたところは?
今まで以上に描かれている世界が広がっていて。さくらは法廷にも行き、社会が直面している児童虐待の実状をより深く知り、今までのように正義感だけでは走れない。今回のさくらはとても迷っているように感じます。
時代も変わり、子どもたちとの普通の会話がより難しくなってきてもしかしたらさくらは今の時代とは逆行したウザさがあるのかも知れません。でも“それでも言わせて、守らせて”と愛のあるしつこさみたいなものを、痛い思いをしながら演じています。