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<西野亮廣>ゴミ人間〜『えんとつ町のプペル』誕生の背景と込めた想い〜「映画『えんとつ町のプペル』の製作総指揮を務める覚悟」【短期集中連載/第10回】

2020/10/26 23:45

映画『えんとつ町のプペル』(12月25日[金]公開予定)誕生の背景とそこに込めた想いを語る連載第10回
映画『えんとつ町のプペル』(12月25日[金]公開予定)誕生の背景とそこに込めた想いを語る連載第10回


芸人、絵本作家ほか、ジャンルの垣根を飛び越えて活躍する西野亮廣。2016年に発表し50万部を超えるベストセラーとなっている絵本『えんとつ町のプペル』だが、実は映画化を前提として設計された一大プロジェクトだった。構想から約8年、今年12月の映画公開を目前に、制作の舞台裏と作品に込めた“想い”を語りつくします。第10回目は、原作、脚本だけでなく、なぜ西野が製作総指揮という未知の役割を背負ったのか、その結果、どんな想いが訪れたのか、明かします。

リーダーとして


肩書きを訊かれると困ります。「なんでもいいです」と答えると、なんかスカしているみたいだし。自分の興味の言いなりになって挑戦を続けているうちに、気がつけば、職業の壁を越えて本当にたくさんのプロジェクトを抱えていました。加えて、会員数7万人を超える『西野亮廣エンタメ研究所』という有料のオンラインサロン(月額980円)の運営もやらせてもらっていて、おかげで毎日たくさんの「決断」をしています。

海に最初に飛び込む勇敢な「ファーストペンギン」は、実は後ろからグイグイ迫ってくる他のペンギン達に押し出される形で海に落っこちているそうです。「たまたま一番前に並んでいたら、皆のせいでファーストペンギンになっちゃった」というわけ(笑)。

「リーダー」の成り立ちもそれとよく似ています。リーダーは、もともと「チームを束ねる力」を兼ね備えているわけではありません。チームを束ねる立場になってから、必要に迫られて「チームを束ねる力」を手に入れます。僕は、まだその途中。毎日勉強させてもらっています。そんな中、僕がリーダーであるために心掛けていることは次の二つ。

・全員の意見に耳を傾けて、最後は独裁する。

・正解を選ぶのではなく、選んだ道を正解にする。

リーダーがやってはいけない、最も無責任な仕事は「多数決」です。「多数決」で決めてしまえば、その判断が悪い方向に転んだとしても、リーダーには「決めたのはキミ達自身じゃないか」という手札が残ります。責任を背負わないリーダーなど要るものか。全員が反対しようとも、結果的に全員を守れるのであれば、反対意見を押し通すのがリーダーの仕事です。

そして、もう一つ。「誰もやったことがない挑戦」には正解がありません。右に進もうが、左に進もうが、成功も失敗もあります。その問題に確かな正解があるのであれば、皆で正解を選べばいいだけの話なので、リーダーなど必要ありません。リーダーが必要となるシーンは、「正解のない問題」と対峙したときです。そのとき、迷ったところで正解などないので、リーダーは「選んだ道を正解にする」しかありません。選んだ道を正解にする為の施策を全て打つのがリーダーの仕事です。

映画『えんとつ町のプペル』では、原作・脚本・エンディング主題歌の作詞作曲の他に、「製作総指揮」というポジションで頑張っています。いわゆるリーダーです。クリエイティブから広告周りまで、全てを指揮するのが、映画『えんとつ町のプペル』における僕のお仕事です。作業量は結構多いです(笑)。今回は、映画『えんとつ町のプペル』の製作総指揮に向けた覚悟について、お話したいと思います。

映画『えんとつ町のプペル』の製作総指揮って何をするの?


「製作総指揮」と言われても、一体何をやっているのかよくわからないですよね?

ともすれば「名前貸し」のイメージすらあります。大きな業界です。もしかすると、中には「名前貸し」の(作品のアイコンとしての)製作総指揮もいらっしゃるのかもしれませんが、映画『えんとつ町のプペル』に関しては、先ほども申し上げた通り、原作・脚本・主題歌を担当させていただいております。加えて、そもそも『えんとつ町のプペル』という物語は、夢を語れば笑われて、行動すれば日本中から叩かれた僕の経験が下地になっています。

下に続きます
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PROFILE●1980年、兵庫県生まれ。芸人・絵本作家。1999年、梶原雄太と「キングコング」を結成。2001年に深夜番組『はねるのトびら』のレギュラー出演決定と同時に東京進出を果たす。2005年に「テレビ番組出演をメインにしたタレント活動」に疑問を持ち、「自分の生きる場所」を模索。2009年に『Dr.インクの星空キネマ』で絵本作家デビュー。2016年、完全分業制による第4作絵本『えんとつ町のプペル』を刊行し、累計発行部数50万部を超えるベストセラーに。2020年12月公開予定の『映画 えんとつ町のプペル』では脚本・制作総指揮を務める。現在、有料会員制コミュニティー(オンラインサロン)『西野亮廣エンタメ研究所』を主宰。会員数は7万人を突破し、国内最大となっている。芸能活動の枠を越え、さまざまなビジネス、表現活動を展開中。

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西野が考えるエンタメの未来や、現在とりかかっているプロジェクトを先んじて知れたり、場合によってはクリエイターとして強引に参加させられたりする国内最大の会員制のコミュニケーションサロン。コワーキングスペース「ZIP」の利用やサロンメンバーだけでの特典も多数。

画像一覧
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  • 映画『えんとつ町のプペル』(12月25日[金]公開予定)誕生の背景とそこに込めた想いを語る連載第10回
  • 【画像を見る】映画『えんとつ町のプペル』のメインビジュアル。煙に覆われた空の見えない街で、それでも星を信じて“見上げる”勇気に心打たれる
  • 映画『えんとつ町のプペル』より。息子ルビッチを信じぬく母親・ローラの声は、女優の小池栄子が務める
  • 物語の語り部の一人でもある、鉱山泥棒・スコップはオリエンタルラジオの藤森慎吾が担当。圧巻の饒舌ぶりに注目
  • 映画の中で、唯一の悪役である影の独裁者・トシアキはキャスターの宮根誠司が務める。圧巻の声優陣が作品を彩る

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映画 えんとつ町のプペル

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