D-BOYS碓井将大が舞台「千に砕け散る空の星」への意気込みを語る!
あと3週間で世界が終わりを迎えるという状況下で、確執に向き合い、苦難を乗り越えて“最期の日”を迎えるひとつの家族の姿を描いたヒューマンドラマ「千に砕け散る空の星」が、7月19日より東京・シアタートラムにて舞台として上演されている。物語は、がんに冒されて余命わずかの長男をはじめとする男ばかりの5人兄弟と、女手ひとりで彼らと対峙する母親を中心とした家族が、“終焉(しゅうえん)”を前に、それぞれの想いや行動をあらわにしていくというもの。原作はイギリス劇作家、デビッド・エルドリッジ、ロバート・ホルマン、サイモン・スティーブンズの3名により描かれた話題作「A THOUSAND STARS EXPLODE IN THE SKY」で、日本では初演になる。
出演は中嶋しゅう、大滝寛、中村彰男、倉野章子、古河耕史、西尾まり、安藤サクラ、牧田哲也、碓井将大。その中で最年少の碓井に、本舞台について尋ねた。
――本舞台のストーリーと碓井さんの役どころを教えていただけますか?
僕は、大滝寛さんが演じる次男の孫の役です。次男の娘で、母親役にあたるのが安藤サクラさんです。祖父も母もパートナーとうまくいかずひとりでおり、さらに、僕は母に捨てられ、祖父と暮らしているといる設定。心に隙間があり、普通の人の感覚とは少し違う少年の役です。彼は友達もいなく、世間的に悪いこともしてしまうような感じ。でも、役に合っているって声を回りから頂くので、僕にもそういう面がもしかしたらあるのかなと感じることもあります。どういう人かつかみにくいって言われることも多いので。
――台本を初めて見た時はどのように感じましたか?
けっこう複雑で、1回読んだだけでは理解できなかったです。素直に気持ちを言葉で表現する箇所がなく、隠喩がほとんどなんですよ。そういうフレーズを考えることは難しいので勉強になりますね。ただ、気を付けなきゃなって思うのが、自分の気持ちを隠喩で表すと相手もそれで返してくるので、本当に言いたいことをお客さんへちゃんと伝えられるように、演技の精度を上げていかなければと。僕らは台本を何度も読んでいるので分かりますが、お客さんにも同じように伝わってほしいなと思いますので。
――稽古の様子はいかがですか?
今までの舞台と違うと思うのが、演出家さんのブレーンだけでないところで創っていること。しゅうさんや倉野さんが意見を述べて、演出家さんとも話し合ったりしています。そういった意味ではすごく刺激を受けてはいますね。あとは、僕は映画が大好きで、引きこもって観まくっているんですが(笑)、あこがれの安藤さんと共演できることがうれしいです。いろいろ貴重なお話をさせてもらっています。同じD-BOYSの牧田くんがいてくれるのも心強い。D-BOYSの舞台の方が「やってやるぜ!!」みたいな(笑)、男くさくて熱がこもっているので、他の現場で会うと変な感じですが。照れくさいというか(笑)。
――牧田さんとは本番での絡みはあるんですか?
ありますよ。本番でいじわるしてやろうと思っています(笑)。物を投げるシーンで、予定と違う方に飛ばしてやろうかなとか(笑)。毎日違うことを仕掛けたいと思います(笑)。
――それは何度も観にいくファンの方々も毎回楽しみになりますね。では、他に興味がある仕事はありますか?
やっぱり映画が大好きなので、映画にもっと出たい、という気持ちは強いです。映画は表現が難しいので、僕でも開拓できるんじゃないか、と思えるんです。あとは、映画監督の方々は変わった方が多いので(笑)、その人たちの頭に入っていきたいというか、頭の中に住める役者になっていきたいです。監督の頭の中の“画”を一緒に創れたらなと思います。
――お薦めの映画はありますか?
先日、しゅうさんに薦められて、この舞台稽古が始まる前に観たんですが「きっとここが帰る場所」はよかったですね。ショーン・ペンさんの表現が素晴らしくて、すっと入っていけるというか、ひとつひとつのせりふを追わなくても全体を通して見えてくる感じ。多分、この舞台も似ていると思うんですよね。
――最後に公演を楽しみにしている方々へのメッセージをお願いします。
重い作品に見られがちなんですが、笑えるシーンもたくさんあります。もし自分がその状況になったらって考えられるのが芝居のいいところだと思うし、自分じゃない人に感情を入れ込めるのが楽しいと思います。1回観て分かりにくかったら、もう1回観にきていただきたい。夏休みも始まりますし、旅行にいく前にこの舞台を観て、1日1日の大切さを考えてみてほしいです。
7月19日~30日(月)
東京・シアタートラムで上演中
※25日(水)は休演
チケット取り扱い:
世田谷パブリックシアター
チケットぴあ
イープラス