「お笑い芸人多くね?」秋ドラマのキャスト研究
武井咲主演の「東京全力少女」の第1話に、端役ながらお笑い芸人を3人も確認。「この秋ドラマはやけにお笑い芸人が目立つなぁ」と、今クールの各作品に出演しているお笑い芸人をリストアップしてみた。今は役者を専業としている人は除き、レギュラー出演、ゲスト出演を問わずに数えてみると延べで30人余も。
ベテラン勢では1人コント師・イッセー尾形が「PRICELESS」と「恋するハエ女」を掛け持ち。シティボーイズの3人は、大竹まことが「MONSTERS」、斉木しげるが「高校入試」、きたろうが「TOKYOエアポート」と同クールにキャスティングされている。そして、日本喜劇界の大御所、伊東四朗は「ドクターX」でことし4本目の連ドラ(いずれもレギュラー)に登板している。リスト外として、「相棒」(テレビ朝日系)の山西淳、「レジデント」の古田新太、「PRICELESS」の升毅は、関西ローカルのコント番組「現代用語の基礎体力」(1989年~90年 読売テレビ)などで共演していた間柄だ。
中堅・若手勢に目を移すと、バカリズム、ますだおかだ・岡田圭右、たんぽぽ・白鳥久美子ら、事務所も芸風も違うタレントが起用されている。「花のズボラ飯」のアンジャッシュ・児嶋一哉の場合、原作の漫画には出てこないオリジナルキャラクターを演じている。本作には塚地武雅(ドランクドラゴン)のキャスティングも発表されている。また、福田彩乃と柳原可奈子は、それぞれ主人公とがっつり絡む役に抜てきされた。そして、深夜枠ながらピース・綾部祐二とバナナマン・日村勇紀は堂々の主役に。それぞれ第1話で綾部が小泉孝太郎、日村が剛力彩芽と絡むなど、2人とも毎回違う俳優との顔合わせがあり、新しい一面を見せている。
地上波の連ドラの主役をはったお笑い芸人といえば、80年代に大ヒットした「男女7人夏物語」「男女7人秋物語」(いずれもTBS系)の明石家さんまをはじめ、ビートたけし、タモリ、ダウンタウン、とんねるずとビッグネームはいずれも経験済み。ここ10年を振り返ると、「検事・鬼島平八郎」(2010年テレビ朝日系)のダウンタウン・濱田雅功を除けば、板尾創路、鳥居みゆき、ラーメンズ・片桐仁が深夜枠ながら主役をはっている(ほか「ウレロ☆未確認少女」「ウレロ☆未完成少女」(テレビ東京系)の劇団ひとり、バカリズム、東京03というケースも)。果たして、綾部と日村は、連ドラ主役をステップボードに、先達と肩を並べるまでにいたるのか。また、芸人のドラマ進出がもっと増え、2人に続く主演抜てきはあるのか。2013年のお笑い芸人とドラマシーンとの関係に注目したい。