松岡茉優は先輩!? マキタスポーツ、役者活動本格化へ
漫画家・エッセイストの西原理恵子が、義父・宏さんと過ごした日々を描いたプレミアムドラマ「人生は“サイテーおやじ”から教わった～漫画家・西原理恵子～」(2月10日[日]夜10時、NHK BSプレミアム)。理恵子が6歳の時に義父となり、19歳の時に自殺した宏役を演じるマキタスポーツ。お笑い芸人、ミュージシャンとして活動する一方、'12年には映画「苦役列車」で第55回ブルーリボン賞新人賞受賞と、活動の幅を広げている。マキタスポーツさんに本ドラマについて話を聞いた。
――撮影が大変だったようですが？
雪が降ったんでね。でもみんな同じく大変なので。
――そんな寒さの中、タンクトップのシーンもあったそうですが？
そうですね。でも役者は周りから気を遣ってもらえるじゃないですか。役者やっているなーって気分を味わわせていただきましたよ。
――脚本を読まれた時、どのように思われましたか？ かなり過激な内容だと思うのですが・・・。
そうですね。まずは、過激な父役にどうして自分がキャスティングされたのかなと。僕、見た目はこうですが、本当はおとなしい性格なので。
――そうですか!?(笑)
本人はそう思っているんです！ 周りからは怖い人だとか、破天荒な人だとか思われるんですよ。破天荒は10年も前にやめているんですけどね(笑)。10年前の破天荒だったころの自分はどうだったかなと考えてみました。でもそのころは父親ではなかったんですよね。今は子供がいますけれど。果たして、このおやじさんの気持ちになれるのだろうかと最初に思いました。
――娘役の松岡さんは17歳ですが、それくらい大きな娘がいる父親のイメージは持てましたか？
ちゃんとありましたよ。自分の年齢的にも、それくらいの娘がいてもおかしくないですからね。父親のように接することはできたと思います。ただ、松岡さんは超しっかりしていて(笑)。芸歴も僕と大差ないし、落ち着き払った顔をしている。役者としての経験値が違うように感じましたね。
――撮影現場でのエピソードはありますか？
クライマックスシーンの撮影で、松岡さんはそのシーンでクランクアップだったんです。しっとりとしてすごくいいシーンで、僕も撮影がうまくいったなと思い、感動していました。そしたら、松岡さんが僕の手をおもむろに取って握手をし、「きょうはマキタさんと最後のシーンなんですよね！ お疲れさまでした！（拍手）」と、周りに拍手を促したんですよ。そんな風に周囲を取り仕切るような感じというか。僕はドラマの現場は慣れていないですが、松岡さんは取り組んでいるレベルが違うんだなと思いました。心から「先輩！」と呼びたいです(笑)。
――“役者”について考えることはありますか？
僕はお笑い芸人なので、役者をすることに対して若干のてらいや抵抗があり、気持ちが乗り切れないことがありました。楽しいけれども、どう取り組んでいったらいいのか分からないと思っていて。でも、今回のドラマに出演するにあたり、リミッターを取って挑まないといけないと思いまして。松岡さんはリハーサルの段階からテンションを上げていましたが、芸人(の僕)は横着なので、本番一回のMAXを目指すわけですよ。芸人って集中力がないので、TAKEを重ねるごとに悪くなっていくという人も多いと思うんです。その代わり瞬発力はすごいですよ。でも、じっくりと相対する役者さんたちと心の交流をして、お互いのライブ感で芝居をできるか、気持ちを上げられるかということが、今回のテーマでしたね。恥ずかしがらずに(笑)。最後の理恵子と宏のやりとりのシーンでは自然に涙が出てきたりして。僕が目指していたものと宏の気持ちが重なったんだったら結果オーライだと思います。その涙にうそはないですし、役に入っていないオフの時とは違うレベルでコミュニケーションがとれた気がして、それがすごくうれしかったですね。
――これからも芝居をしたいと思いますか？
やりたいですよ！ ただ、やる動機が必要で。その動機というのが、やっていて楽しいか、感動を与えられるかだと思うんです。あと、周りにいるスタッフとかね。それらが自分の心の餌になります。今回のドラマはやっていて気持ちよかった。ただそれが独りよがりだといけないし、今回のように他の人たちと共有できたらいいなと思います。これからの役者活動のいいきっかけになりました。
この記事はWEBザテレビジョン編集部が制作しています。
2月10日(日)夜10:00～11:00
NHK BSプレミアムで放送
