北乃きいが明かす結婚観とは?
映画「ケンとメリー 雨あがりの夜空に」が全国で公開中。
同作品は、RCサクセションの名曲「雨あがりの夜空に」に乗せて、サラリーマン親父とデタラメ中国人ドライバーの凸凹コンビが織り成す義理と人情の痛快爆笑ロードムービー。男手ひとつで娘・縁(北乃きい)を育ててきたサラリーマン・片倉健(竹中直人)は、マレーシアで行う娘の結婚式を阻止するためマレーシア行きの飛行機に乗り込むが、悪天候により緊急着陸することになる。見知らぬ空港に降り立った片倉は、財布をすられてしまい、途方に暮れる。そんな中、縁と知り合いだというおんぼろトラックの運転手・メリー(フー・ビン)と出会い、結婚式が行われるクアラルンプールを目指すことに。前途多難な旅を経て、片倉とメリーは縁の結婚式に間に合うことができるのか…といったストーリー。
今回、片倉の娘・縁を演じた北乃きいにインタビューを行い、撮影秘話や見どころについて語ってもらった。
――撮影はいかがでしたか?
実際にマレーシアに行って撮っていたので自然と役に入っていくことができました。ただ、ずっとウエディングドレスを着ていたので、肩は出ていたんですが下は風が通らなくて、すごく暑かったのが大変でした。
――演じた縁という女性に対するイメージは?
すごくはきはきしていて、自分のやりたいことを貫いているところ、いろんな国を巡って学校の先生をしているところは、とてもかっこいいと思います。すごくストレートに気持ちをぶつけられるところは、演じていてすごく気持ちのいい女性でした。
――マレー語のせりふは?
大変でしたが英語と比べると、聞いたことのない人の方が多いのでプレッシャーは少なかったです(笑)
――竹中さんとの共演はいかがでしたか?
初めて台本を見て共演できると知った時はすごくうれしかったです! これまで言ったことはなかったのですが、竹中さんはあこがれの方で「いつか竹中さんと共演できるような女優さんになれたらいいな。でも、いまの自分じゃ、まだまだだな…」と思っていたんです。そんな時にこのお話をいただいたので本当にうれしかったです。同じシーンは少なかったのですが、同じテロップに名前が載っているだけでも感激で…。撮影が終わった後も、出来上がった作品を観ても感じたことなのですが「自分がもっと成長して、またご一緒できるように頑張りたいな」と。竹中さんのお芝居を見て、言葉とか関係なくどの国の人にも面白さや胸の苦しさなど、全部表情で伝わるのは「やっぱりすごいな」と感じましたし、自分の出演した映画を観てあんなに笑ったのは初めてでした。ストーリーを知っている人が観て、笑い声が上がるというのは珍しいと思いますし、関係者の人にプライベートで観ているような感覚にさせるというのは本当にすごいと思います。
――竹中さんとのエピソードは?
オールマレーシアロケで、スタッフさんがマレーシアの方と日本の方が半分ずつという現場だったのですが、最後のシーンの撮影で、日のあるうちに撮らないといけないという切羽詰まっていた時に、竹中さんが「出ている僕たちがこそこそ話したり、嫌な顔をしていると(スタッフが)『どうしたんだろう?』って気にしてしまうから、僕たちが笑っているだけで大分気持ちが楽になるんだよ。だからいつでも笑顔でいることが大事なんだよ」ということをお話ししてくださいました。「自分の表情がそこまで影響しているんだ」と気付かされたと同時に、自分が人見知りでなかなか初対面の人の前だと笑顔が出せないのですが、取材でも「笑顔で対応すれば、相手の方も話しやすいのかな」と痛感して、その言葉が本当に心に響きました。
――片倉健は、お父さんとしてはいかがですか?
面白いし、楽しいと思います! いいなって思いますよ。(結婚相手に会わないうちから反対しても?)そうですね。いつまででも、ああいうふうに(溺愛)してくれるのって親だけかなとも思うので。(そこまで愛してくれる人が)いないより、そういうふうに言ってくれる人が周りに一人くらいいてもいいかなって思います・・・(笑)
――健さんみたいに結婚に大反対されたらどうしますか?
わたしは反対を押し切って結婚するタイプだと思います。“結婚は、二人だけのものじゃなく家族と家族のもの”ってよく聞きますけど、実際には不可能な場合もあると思うんです。そんな時に「それでもこの人と結婚したい!」って思ったらすると思いますね。どんなにダメって言われても(笑)
――最後に見どころとメッセージをお願いします!
お腹を抱えて声を出して笑いたいと思っている人はもちろん、落ち込んでいる人が観ても元気になると思いますし、これから第二の人生を歩もうかなと思っている人も、竹中さんを見て、夢と希望をもらえると思います! いろんな国の方が出ているのですが、その中心に日本のサラリーマンを代表するような片倉健がいることで、すごくまとまりがあって、「どの国の人もみんな一緒なんだな」と感じていただけるはず。世界にはいろいろな問題もありますが、この映画のメッセージのひとつでもある“いろんな国の人が仲良くする”のは大事なことだと改めて思っていただけると思います。実際の現場でも、みんな仲が良かったので、そんな雰囲気もスクリーンを通して感じていただけたらうれしいです。自分が出ている映画でこんなに笑ったのは初めてなので、何も考えず観てもらえたらなと思います。これこそ娯楽映画! ちょっと時間が空いた時に見ていただいても、十分楽しめる作品です!!
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