重松清原作「その日のまえに」主演・佐々木蔵之介が心境を明かす
NHK BSプレミアムで3月23日(日)、30(日)に前・後編で放送される「その日のまえに」の完成試写会が行われ、主演の佐々木蔵之介が出席した。
同作は重松清の同名小説をドラマ化したもの。余命を宣告された女性とその家族が、“遺す者”と“遺される者”というそれぞれの立場で、互いを思い合う姿を描く。健輔(佐々木)は、末期がんで余命1年と宣告された妻・和美(檀れい)の希望で、新婚時代に住んでいた町を訪れる。その後、和美は自分が亡くなる日のことを“その日”と呼ぶようになる。
妻が余命宣告をされ、悲しみ、とまどいながらも家族と向き合っていく主人公・原田健輔を演じた佐々木は、「僕はこの妻、檀れいさんと、子供二人に支えられて(演技が)できたと思います。最初に台本を読んだときは、読めないというか5分に1回泣けてしまうような話で、今までと違う気分で撮影に臨むような作品だなと感じました」と心境を明かした。また、「せりふがいいなって思ってて、そのまま読んだ瞬間のこの感覚のまま、そのまま伝えられればと。でも、なかなかそういうわけにはいかないですが、“何か”を大切にしたかった。その場や妻との空気、その時何が起こるか、子供たちに話したとき、子供たちの揺れる感情とかで芝居が変わると思うので、このままごっそりやりたいなと思うようなシナリオでしたね」と撮影時を振り返った。
さらに、「余命宣告をされて以降、妻のせりふが全て遺言になるんですよね。妻が話すことがすべて胸に刻まれていく。彼女が『こんなことをしたい』と言うと、それをかなえてあげようとか、彼女が“その日”を迎えるためにどうしたらいいのかを考える。余命宣告を受けることがなかったら、普通に日常を過ごすんですけど、全てが胸に刻み込まれていくので、一つ一つを集中して聞いてしまうんですよね」と感慨深げに語った。
最後に、「前編では“その日”を迎えるまでの話なんですけど、これは“その日”、そしてそのあとのことまで描かれています。後編の部分は光があります。それに向かって、“遺された者”たちが歩き出す作品になっています。これは突然宣告されたんですけど、事故で“その日”を迎える人もいる。この作品を見ていただいて、日々生きていく、日常を生きていくことの希望を見つけていただければと思います」とメッセージを送った。
「その日のまえに」
3月23日(日)、30日(日)夜10:00-10:50
NHK BSプレミアムで放送