野々すみ花が遊女の頂点を演じる!「たくましく生きてきた女性だと思います」
NHK総合で6月26日(木)から放送が始まる木曜時代劇「吉原裏同心」で、3000人もの遊女の頂点に立つ女性・薄墨太夫を演じる野々すみ花にインタビューを行い、役に対する思いや共演者とのエピソードを聞いた。
本作は、江戸の遊郭・吉原の遊女たちに降りかかる事件を、情愛を持って解決していく神守幹次郎(小出恵介)と妻・汀女(貫地谷しほり)の姿を描く。薄墨太夫は美貌はもちろん、人柄のよさも評判の太夫で、遊女たちにとって憧れの存在。次第に吉原裏同心として働く幹次郎に心引かれていく。
――初めて連続ドラマに出演した感想はいかがでしたか?
連続ドラマも初めてでしたし、時代劇も初めて。時代劇はいつか挑戦してみたいなと夢見ていたんですが、こんなに早くチャンスをいただけましてビックリしています。しかも太夫の役ということで、とんでもないことになってしまったなと思いつつも、楽しんでやらせていただいています。
――最初に太夫の役だと聞いたときの印象は?
私なんかにやらせてもらっていいのだろうかと不安でいっぱいでした。これまで太夫の役をされてきた方で、例えば「JIN-仁-」('09年、'11年 TBS系)の中谷美紀さんとか、とても華やかなイメージがありましたから。今回の作品は、お座敷のときでしか「ありんす」などの太夫の言葉を使わず、普段は周りと同じように話しているんです。その分、人柄が鮮明に出てくると思うので、私は私らしく人間味のある役にしていきたいなと思っています。
――薄墨太夫をどのような人だととらえていますか?
すごく強くて、悲しくて、優しい人だなって。吉原の中の華やかな世界で遊女の頂点に立っていたとしても、一歩外に出ることさえ許されていない立場ですから、たくさんの葛藤の中で、弱みを見せずたくましく生きてきた女性なんだと思います。
――時代劇には昔から出たいという気持ちがあったんでしょうか。
日本舞踊を習っていまして、せっかくなら生かせるものをやってみたいなと思っていました。現代劇も挑戦したいですけど、時代ものは今、特に興味があります。
――共演した小出恵介さんの印象はいかがでしたか?
とてもおだやかな方です。時代劇初主演だとうかがったんですけど、いつも力まずに自然体でいらっしゃって、でも中身は熱いものがみなぎっている。すごく役とつながるところがあって、すてきだなと思って見ています。私はまだドラマに慣れていないので、聞いたことない言葉が現場でたくさんあるんです。初めて聞く言葉を小出さんがいろいろ教えてくださいました。本当に感謝しています。
――汀女役の貫地谷しほりさんはどのような印象でしたか?
同世代の女優さんとお仕事するのが初めてなんです。お仕事に対しての姿勢や生き方を間近で見られて本当に勉強になりますし、あたふたとしている私をいつもさりげなくフォローしてくださったり、とにかくスゴイ方です。それに夫婦役の小出さんとお二人の空気感がとても良くてすてきなんです。飾らない自然体で信頼し合っていて、うらやましく思います。
――以前宝塚でトップ娘役を演じていたことと、吉原の頂点に立つ薄墨太夫は、「責任感」や「品格」などとつながるものがあると思いますか?
つなげていければいいなと思います。遊郭も宝塚も同じ女社会ということは変わりなくて、どちらもきらびやかな夢の世界。ですが、そこで生きていくためには自分の何かを犠牲にしてでも、それにすべてを懸けるという覚悟とか責任が必要だと思いますし、その世界に対して誇りを持っていたい。
――最後に、薄墨太夫の今後の見どころを教えてください。
第一話ではばったりと幹次郎さんとの偶然の出会いがありますけど、そこからどのように発展していくのか。幹次郎さんと汀女さんと薄墨太夫の3人の関係性がどうなっていくのか、そこを楽しんで見ていただけたらと思います。今後どうなっていくか、今はまだ何も言えません(笑)。
6月26日(木)スタート
毎週木曜夜8:00-8:43(全12回)
NHK総合にて放送