「花咲舞が黙ってない」きょう最終回に池井戸氏「どうしたらいいか…」
前話までの平均視聴率が15.7%を記録するなど、好調だった春ドラマ「花咲舞が黙ってない」(日本テレビ系)がきょう最終話を迎える。
原作である「不祥事」(実業之日本社刊)に収められた「不祥事」というエピソードをベースに、東京第一銀行が取引先の企業の給与データを紛失し、舞と相馬が調査委員会に招集され、謎を解明していく姿が描かれる。
実業之日本社で15年にわたり池井戸潤氏を担当している文芸出版部・佐々木登氏は、「原作単行本が'04年8月に最初に刊行されてからことしで10年になりますが、銀行・企業小説といえばオヤジが読むものと皆が思い込んでいた時代に、こんな痛快な女性キャラクターが主人公の銀行ミステリーを生み出していたのですから、池井戸先生の時代を先取りする感覚はさすがです。池井戸作品の中でも実は隠れたベストセラーにもなっていたのですが、こうしてドラマ化をされることで、時代がようやく花咲舞に追いついた! という印象です」とドラマヒットの反響を語る。
さらに、ドラマ最終話を迎えるにあたっての池井戸氏の様子を尋ねると「『もう最終回なんですか。毎週水曜夜は、花咲舞を見るのを楽しみにしていたのに、これからどうしたらいいのか…』と、行きつけの居酒屋の店員さんに言われたそうですが、まったく同感です。池井戸先生が一番好きな場面は、原作では出てこない、舞の父親で居酒屋「花咲」店主役の大杉漣*さんと舞の上司の相馬役の上川隆也さんの掛け合いのシーンだったそうです。大杉さん演じる幸三が、舞の怒りの受け止め役になっていて、ほっとしますね。ご自身もあの居酒屋にいるような気分になっておられるのでしょうか」と語った。
同作はこれまで原作とは違うエンディングで描かれてきたが、佐々木氏は最終話の展開を「池井戸先生は、常にこれしかないというミステリーの組立てをされているので、最終回の謎解きも、大きく真相が変わることはないと予想しますが、ドラマとしてのガチのラスト予想は、真藤常務の陰謀による花咲舞、テラー業務に電撃異動辞令、でしょうか。実は臨店にやりがいを感じ始めていた矢先の舞が、本店の屋上で真藤と対峙し、『お言葉を返すようですが!』と啖呵を切る場面が見てみたいです! そして、相馬と舞の関係は気になるところですが…たぶん進展はなさそうですね(笑)」と予想した。
気になる最終話は、きょう夜10:00から日本テレビ系で放送される。
*漣は正しくはしんにょうの点が2つ
夜10:00~11:10 日本テレビ系