ラストにどんでん返しが!? 伊原剛志主演「トクボウ」Pに聞く裏話（後編）
今期、実力派・個性派俳優が“連ドラ初主演”した連続ドラマ作品の面白さに迫るインタビュー企画。今回は伊原剛志の主演「トクボウ 警察庁特殊防犯課」の福田浩之プロデューサーにインタビュー。後編は、主人公・朝倉を作り上げた設定の裏話、そして最終話のみどころを中心に話を聞いた。
■“スタッフと同じ目線”の主演役者、伊原剛志
――朝倉草平という役を作り上げていく過程では、伊原さんとはどのような意見を交わされたんですか？
実は、朝倉のキャラクターとしての見せ方は伊原さんのアイデアが多く入っているんですよ。髪形とか眼鏡とかはもちろん、非現実なことをやっているけど、朝倉自体を人間くさい、泥くさい人間に見せるにはどうしたらいいのか、ということですよね。
――伊原さんの提案はどんなものがあったんでしょう。
ルックスや持っている雰囲気は、原作に加えて韓国映画の「オールド・ボーイ」('03年)のチェ・ミンシクをプラスされているんですよ。
――「オールド・ボーイ」！ チェ・ミンシクは、長年監禁されたことへの復讐に燃える主人公を演じていました。
あの、ぶっきらぼうさとかはそのままですよね。あと、伊原さんのキャラクターの開拓はぜんぶ直感なんですよ。「朝倉ならこういうこと言うよね、やらせるよね」という。好物の卵に関することなんかはほぼ伊原さんの提案でした。
あと辻役の松下(洸平)くんを10話以降で白からピンクの裸エプロン姿にさせたのも伊原さんで。伊原さんは実際にSっ気のある人だから、松下くんみたいな実際にMっ気のある人と合うんですよね(笑)。現場でも役柄そのままみたいな関係になっています。
――ははは。朝倉のような新境地の役どころを演じること自体については、伊原さんはどのようにおっしゃっていましたか？
最初からすごいモチベーションが高かったんですよ。というのも、同じクールで連続テレビ小説の「花子とアン」(NHK総合ほか)にも出演されているじゃないですか。同じ時期に方向性の全く違う人物を演じることは、役者冥利に尽きると感じてくれていたみたいなんです。それこそ「花子とアン」では主人公のお父さんで、真っすぐな役な分だけ、朝倉草平は徹底的に振り切れたいと。「朝倉で自分のイメージを壊したい」ということをおっしゃっていました。
――振り切れた部分というと、“縛り”は伊原さんご本人がやられている部分もあるんですか？
やっていますよ。回を追っていくと慣れてきたのか「ここは俺がやる」と縛られることも多くなって。縛りのシーンでは、現場に“緊縛監修”として世界有数の緊縛師である有末剛さんに来ていただいているんですが、お二人はいつもすごく話をしているんですよ。こういうふうに縛りたいとか、だから縛りはすごい上達していますよ(笑)。
――主演役者としての伊原さんは、現場ではどのような存在ですか？
こういう主演のあり方もあるのかと思ったんですけど、僕らスタッフと本当に目線を同じにしてコミュニケーションしてくださるんですよ。それこそ若造のプロデューサーである僕にも、カメラアシスタントの子にも同じように分け隔てがなく接してきてくださって。
――徹底的に壁を作らないというか。
そうなんです。これは普段から伊原さんがそうなのか、主演役者として気を遣ってくださっているのかは分からないんですけど、スタッフとしては主演の人がそうやってくれるのは本当にやりやすいです。しかも、チームとして結束が生まれてそうなったわけじゃなく、クランクインしたときから同じ目線でやってくださっていて。こんなにピリピリしない現場は本当にいい意味でこれまでなかったです。
■最後の最後に最大のツッコミどころが!?
――先ほど縛りのお話が出ましたが、縛られる側(ゲスト)さんの反応はどんなものでしたか？
両極端ですね。「良い体験できた」と「二度とやりたくない」の2つに1つです。松下くんはさっきも言ったようにちょっとMっ気あるから、逆にいろんな縛りを体験したいって好奇心があるらしいです。
――ははは。基本のストーリーとしては一話完結で悪人たちを縄で縛り上げていますが、最終回を迎えるにあたっては吉田鋼太郎さんが演じる鶴井との警察の闇をめぐる対決の伏線などがありますが…。
吉田さんの演じる鶴井は作中で最も強大な悪役ですが、もちろん鶴井との決着は何らかの形で付きます。最初に言った「ダークナイト」で言うと、鶴井はまさにジョーカーなので、朝倉と鶴井がどう対峙するかには注目してほしいですね。
――朝倉自身の行く末も描かれるのでしょうか？
叶(安達祐実)との関係とかもありますしね…でも、中盤で朝倉の過去について語る回がありましたが、朝倉の内面についても、品川徹さんが演じる父親の大藪との因縁で語られていきます。
――最終回の期待が高まります。
最後の最後にもどんでん返しを用意していますよ。最後「そう来たか！」となるような仕掛けを入れようとしていて、それは面白がってやれていますね。「トクボウ」はツッコミどころ満載のドラマだと思うんですけど、最終話にも皆さん「ええ、そうやったん!?」ってツッコミを入れてくれると思います(笑)。なので、最後の最後まで楽しみにしていただけたらうれしいですね。
6月26日(木)に放送される最終話は、最強最大の敵・鶴川(吉田)の恐るべき犯罪計画を阻止すべく、朝倉らトクボウ課が決死の行動に出る。朝倉は鶴川を“矯正執行”することができるのかという点も見どころだ。
この記事はWEBザテレビジョン編集部が制作しています。
6月26日(木)夜11:59-0:54に放送
日本テレビ系にて放送中
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