「あすなろ三三七拍子」の劇伴に大友良英、主題歌にスピッツ
7月15日(火)からスタートするドラマ「あすなろ三三七拍子」(フジテレビ系)は、商社に勤務するごく普通の50歳の中年サラリーマンが、リストラを免除する代わりとして社長がOB会幹事長を務める廃部寸前の大学応援団への出向を命じられ、応援団長にさせられるところから始まる物語。コワモテなOBたちに厳しく指導され、若い団員たちと友情を育みながら、「とにかく」「ひたすら」「懸命にやる」という応援の哲学を学んでいくまでの主人公の成長を描いた熱い人間ドラマになっている。このたび、柳葉敏郎が主役を務める本作を彩る音楽についての詳細が明らかになった。
まず、ドラマのイメージやそれぞれの登場人物の感情を演出する劇中の音楽(劇伴)を大友良英が担当。大友は昨年NHKの連続テレビ小説「あまちゃん」で日本レコード大賞作曲賞を受賞するなど、今最も勢いのある音楽家。そして主題歌にはデビュー23年目を迎えた4人組ロックバンド・スピッツの名曲「愛のことば」に決定した。'95年に発売された6thアルバム『ハチミツ』に収録されている人気の一曲だが、ドラマ企画担当からの熱いラブコールに応える形で、「過去の名曲を主題歌にする」という珍しい起用が実現した。
ドラマの劇伴を大友チームに依頼した理由について、編成企画の水野綾子(フジテレビ編成部)は、「単純に『あまちゃん』の音楽が大好きだったことと、応援団と言えばブラスバンドなので今回の世界観にピッタリな、大友さんチームならではの温かい音楽を作ってくださるだろうと期待し、今回『あすなろ三三七拍子』の音楽をお願いさせていただきました。実際レコーディング風景を少し見させていただいたのですが、人間くさい温かさのにじみ出ている現場で、感動してしまいました。メーンテーマを初めて聴いた時はゾクゾクしたので、ぜひ視聴者の皆さまにも楽しみにしていただければと思います」と話している。
大友は、「最初に声をかけてくれた音楽出版社の方が僕の学生時代のバンド仲間で、さらに脚本家の吉田紀子さんが小学校の同級生で…その段階でもう『できません』とは言えない状態でした(笑)。でも珍しい依頼でうれしかったです」とコメント。また作曲した音楽について、「中年男の空回りと柳葉さんの困った顔に合う曲、ということをずっと思い浮かべていました。マイナーな曲調なんですけど、コミカルになるっていう、柳葉さんの顔ありきの曲です」と、同世代でもある主演の柳葉を強く意識したものになっていると明かした。
一方、ドラマの主題歌をスピッツに依頼した理由について、水野は自身の大学生活で一番聴いたのがスピッツの楽曲であったため、大学=スピッツという形で自然とリンクしたスピッツに依頼したいと思った、とのこと。そして明るい曲のようで聴くと切なくなる「愛のことば」が本作にピッタリ、と強く感じた水野はスピッツへ、主題歌をお願いしたいという思いを伝える手紙を送った。こうした経緯で、新たにミックス作業を施した「愛のことば-2014mix-」がドラマの主題歌となることが決定。スピッツからは、「1995年にアルバムリリースした『ハチミツ』の収録曲の一曲が、時を経て今この時代にまた光を当てていただいて大変うれしく思います」というコメントが届いた。
7月15日(火)スタート
毎週火曜 夜9:00-9:54
フジテレビ系にて放送
※初回は夜9:00-10:09