ハイクオリティーなテレビ時代劇の新たな可能性に中村梅雀も大満足!「ファンには堪らない内容です」
池波正太郎原作の「オリジナル長篇時代劇『闇の狩人』」の完成披露試写会が8月28日(木)に都内で開催された。本作はスカパー!とCS放送の時代劇専門チャンネルの共同制作によるオリジナル作品で、前後編からなる映画さながらの大作。自らに課した掟を守り抜く盗賊、人の命を奪うことを生業とする仕掛人、そして暗殺依頼を請け負う香具師(やし)の元締ら闇の世界に生きる男たちの生き様を描く。原作は「鬼平犯科帳」「剣客商売」「仕掛人 藤枝梅安」などで知られる池波正太郎の知る人ぞ知る傑作長編小説。試写会後の舞台挨拶では主演の中村梅雀、風吹ジュン、福士誠治、津川雅彦ら出演者と石原興監督が登壇した。
作品について中村は「本作を大スクリーンで見られた方は幸せです。テレビサイズでは収まりきらない壮大な作品に仕上がっています。今回は前編のみの上映で、もしかしたら内容に満足されなかった方もいらっしゃるかもしれませんが、前編を礎に展開される後編は怒涛の展開が待っています!特にラスト35分間は時代劇ファンには堪らない内容です。是非ご覧になってください!」と意気込んだ。
暗殺を請け負う香具師の元締を演じた津川は「闇の世界での仁義というものをきちんと表現したかった。義理を果たしながらも、本心である仁愛の部分を貫き通すところを演じることができて本当に良かった」と振り返った。多くの作品で共演し、プライベートでも親しいという中村と津川だが、同じ場面でせりふを交わすのは以外にも本作が初めて。撮影中にシーンが終わると嬉しさのあまり中村と抱き合ったと言う。
風吹ジュンは中村演じる盗賊の女房役として、これまでの自身のイメージには無い江戸弁での演技を本作で披露。「”おれ”という一人称をはじめとする江戸弁独特の言い回しが初めてで、演技のイメージがうまくいかず不安がありましたが、監督のさりげないアドバイスのおかげで役に入り込むことができました」と語った。
物語の鍵となる、記憶喪失の剣士役の福士の演技は、めったに褒めることが無いという石原監督も「格好良い」と大絶賛したという。「二人の恩人(中村と津川)の間で板挟みになる苦悩を表現するところが難しかったが、一番注目してほしいところでもあります」と力強くコメント。
石原監督は「時代劇には、現在では希薄になってきている義理人情、譲り合いや思いやりといった”日本人の心”が流れている。本作もそういった部分を感じ取ってもらえると思う」と時代劇への思いを語った。
最後に中村は「時代劇ファンが待ち望んでいた、すごい役者たちによるすごい作品となっています。役者の演技だけでなく、美術や小道具、雨の降り方や空気の流れまでにも非常にこだわりぬいて作ってあります。色々な部分を楽しみながら何度でも見ていただきたい」と舞台挨拶を締めくくった。
[前篇]9月14日(日)夜6:00-8:00
BSスカパー!で放送
[後篇]10月5日(日)夜9:00-10:38
CS放送 時代劇専門チャンネルで放送