「株価暴落」試写会で織田裕二の握手を瀬戸康史がスルー!?
10月19日(日)夜10:00よりWOWOWプライムで放送が始まる連続ドラマW「株価暴落」の完成披露試写会が都内で開催された。会場には報道関係者のほかに、WOWOW会員、出演者のファンクラブ会員も招待され、第1話の上映が行われた。「株価暴落」は銀行を舞台にした池井戸潤原作の金融エンターテインメントドラマ。WOWOWで池井戸作品がドラマ化されるのは連続ドラマW「空飛ぶタイヤ」('09年)、連続ドラマW「下町ロケット」('11年)に続き3度目となる。
本ドラマは、金融ドラマ、企業サスペンス、警察ドラマとさまざまな要素を併せ持つ作品。スーパー爆破テロ事件を発端に、経営危機に陥りながらもプライドを捨てきれない巨大企業、企業再生の権を握るメーンバンク、テロの真相を追う警察、そしてそれらを取り巻く人々の複雑に絡み合う思惑を通して、銀行と巨大企業にはびこる闇に鋭く切り込む。主演は織田裕二。組織の論理に染まらず、自らの信念に忠実に突き進む熱き孤高のバンカー・板東洋史を演じる。そんな板東に対し、上昇志向が強く銀行内の派閥形成に余念のないエリート行員・二戸哲也を演じるのは、高嶋政伸。ほか、爆破事件の鍵を握る青年に瀬戸康史、その恋人に川島海荷、爆破事件を追う刑事に板尾創路、経営再建中の巨大スーパーマーケットで独裁的経営に立ち向かう取締役・財務部長に石黒賢、会長の懐刀と言える存在でさまざまな裏仕事に従事してきた取締役・広報室長に石橋凌がキャスティングされている。
映画さながらの疾走感とスケールに、上映が終わると客席からは称賛の拍手が沸き起こった。その後、織田裕二、高嶋政伸、瀬戸康史、石橋凌、板尾創路の順で出演者が登壇。最後に登場した板尾は、4人が銀行員らしいスーツ姿とは対照的にトレードマークの白のタキシード。織田に「現場ではクールでハードボイルドな刑事だったのに、(きょうの板尾の株価は)ストップ安!」とツッコまれていた。
WOWOWドラマ初出演となる織田裕二は、「(WOWOWドラマのオファーに)やっと来たと思いました。特に、WOWOWの池井戸作品2本は事前に見ましたが、このチームでやれることに興奮しました」と喜びをあらわに。
主人公と対立する役どころの高嶋は「毒ヘビをイメージして演じました。獲物を狙う意味でもそうですが、常に『自分もやられるんじゃないか』という不安や恐怖があることを意識しました」とあいさつ。織田との初共演に「撮影初日を迎えるにあたって、織田さんの前でせりふが出てこない夢を3回くらい見た。すごく怖かった。いざ共演すると、楽屋に『板東』(役名)と貼っていたり、たびたび一緒になるトイレでせりふを暗唱している姿を見て、板東を細かく作って、とにかく板東を愛していた」と織田の現場での様子を明かした。
板東と二戸のぶつかり合いには、原作者の池井戸氏からも「2人の迫真の演技は特にすごい」とコメントが寄せられるほど。各キャストのあいさつでは高嶋の怪演への言及が相次ぎ、織田は「ジョン・トラボルタみたい」と評し、板尾は「(ブラインドにいら立ちをぶつけるシーンについて)あの“ブラインドタッチ”は3回見返しました」というと会場は笑いに包まれた。
ストーリーの鍵を握る青年を演じた瀬戸は、ベテラン俳優に囲まれて緊張の表情。登壇の際、織田から握手を求められていることに気付かず、素通りしてしまう場面も。楽しそうな現場エピソードを他の出演者が話すのを聞き「ずっと1人のシーンが多くて孤独だったので、うらやましい。でも、いろんな葛藤を抱えて逃げる役を演じきったので、回を重ねて明らかになる真実を楽しんでほしい」と語った。司会者から「自身の株は上がったか、下がったか」の質問には、「池井戸作品で、しかもこれだけ素晴らしい役者と一緒にやれたことは自分にとっても、両親にとっても株が上がったと思う。幸せです」とはにかんだ。
石橋は雨が降ったらスケジュールが延期してしまうシーンの撮影で、見事雨を回避したエピソードを告白。「株価暴落」以前からあった“晴れ男伝説”を更新したことを明かし、「雨が上がって、株が上がった」と得意げな表情を見せた。
織田は「撮影を通じて株が上がった人」に、竜雷太を挙げた。「長ぜりふのシーンを撮って、監督から『OK』の声もかかっていたんだけど、竜さんが『もう1回お願いします』と言ったんです。『まだ』『もっとある』という欲がすごかった。自分もまだこんなんじゃダメだと衝撃を受けました」と振り返った。
最後に「大人のエンターテインメントです。見終わったあとに『もういっちょやってやろう』と思える作品ですので、ぜひ、全5話をWOWOWでご覧ください」と織田からのあいさつでイベントは終了した。織田の第1子誕生予定報道後初の公と場となった今回の会見。会見中にその話題に触れることはなかったが、退場の際に報道陣から「おめでとうございます!」と声が掛かると、笑顔で「ありがとうございます」と返した。
【第1話ストーリー】メガバンク白水銀行では、経営再建中の巨大スーパー・一風堂への追加融資について議論が紛糾していた。審査部審査役の板東(織田裕二)は「融資の要諦は回収にあり」を信条とし、再建の努力をしない一風堂への融資に異議を唱える。一方、破綻の余波が銀行に及ぶことを恐れる企画部副部長の二戸哲也(高嶋政伸)は融資の断行を主張。板東の存在を疎ましく感じていた二戸は板東を陥れようと画策する。そんな中、一風堂の店舗で爆破事件が発生。届いた犯行声明では、独裁的経営を行なう一風堂会長・風間耕造(竜雷太)の辞任と会社の法的整理が要求され、受諾しなければ爆破を継続すると脅迫を受ける。株価下落を懸念する一風堂の財前知春(石橋凌)と友部勇作(石黒賢)は声明を隠匿しようとするが、板東は被害拡大を避けるため公表すべきと猛反対する。同じころ、捜査一課の野猿宏満(板尾創路)は、現場にいた青年・犬鳴黄(瀬戸康史)に疑いの目を向ける。
「株価暴落」
10月19日(日)スタート(全5話)
毎週日曜 夜10:00-11:00
WOWOWプライムで放送
※第1話は無料放送
原作=池井戸潤
脚本=吉本昌弘
監督=鈴木浩介
音楽=村松崇継
出演=織田裕二、高嶋政伸、瀬戸康史、川島海荷、平山浩行/竜雷太、鶴田真由/板尾創路、石黒賢、石橋凌 ほか