世界の出来事をより身近に―ニュースの伝道師・池上彰の“伝えること”への情熱に直撃!
BS放送のDlifeで1月12日(月)に放送される「池上彰のワールドニュース深読みスペシャル 2015年初春編」では混乱が続く中東問題をクローズアップする。
前編では世界中が注目する「イスラム国」、後編は「イスラエル・パレスチナ問題」についてジャーナリストの池上彰が歴史的背景をはじめ、さまざまな角度からアプローチし、問題の本質を深く掘り下げていく。今回、番組で中東問題を取り上げた背景には池上の“知ってほしいこと”“伝えたいこと”への強い思いがあった。
――中東問題を特番のテーマに選んだ理由は?
国際問題として世界が注目しているテーマにもかかわらず、視聴年齢層が幅広い地上波では内容をすべての視聴者層に伝えることは難しいため、問題の本質の部分はほとんど報道されていません。今回はイスラム国、中東問題をより多くの方に理解していただくため、そしてより見識を深めたいという方々のニーズに応え、地上波ではできないBS放送ならではの一歩踏み込んだ内容を伝えたいという思いがありました。
――現在の中東情勢は、日本の身近なところにどんな影響を与えると考えていますか?
今回の特番では情勢悪化による日本の家計などへの言及はありませんが、イスラム国なんて遠い世界の話だと思っていたら、日本の学生が戦闘に参加しようとしていた、などということもあり、私たちの日常に思いもよらない影響を与えることがあります。ニュースを通じて世界は繋がっているのだということを感じて頂きたいです。
――昨今、SNSが日常のコミュニケーションツールとして普及していますが、物事を的確に相手に伝えるのに必要なことは?
短い言葉で物事を的確に伝えるためには、その物事の本質を理解していなければなりません。理解の浅い物事を足りない言葉で伝えた結果、間違った印象を与えたり、誤解が広がったりということも少なくありません。一番伝えたいことは何かを自分の中で整理しておくことも重要です。SNSは便利で気軽かもしれませんが、短い文章で物事を伝えるという恐ろしさをよく理解していない方も多いのではないでしょうか。
――”ニュースの伝道師”として「人に伝える」ということを続ける最大のモチベーションは?
ジャーナリストというのは、大なり小なり他の人が知らないことを知りたい、多くの人に知らせたいという欲求があります。自分が驚いたこと、感心したことを伝えたいという欲求と好奇心を持ち続けて、常に探求することが重要だと思っています。
――番組を楽しみにしている視聴者へメッセージをお願いします。
Dlifeは海外ドラマなどの番組も充実していますが、例えばアメリカのドラマはかなり社会性の強い話が多く、戦地からの帰還兵のエピソードなどもさりげなく出てくることがあります。それを見たときにどういう意味があるのか理解していると、より一層ドラマを楽しむことができます。Dlifeでニュース特番を放送するのは意外な感じがするかもしれませんが、そういった部分でこの番組で得た知識を活用していただけたらと思います。
1月12日(月)夜7:00-9:00
BS放送 Dlifeで放送