「花燃ゆ」謎の女囚・井川遥が野山獄を語る
大河ドラマ「花燃ゆ」で伊勢谷友介演じる寅次郎が収監されている野山獄のセット見学会が行われ、獄中で寅次郎と交流する謎の女囚・高須久子役の井川遥が登場した。
井川は野山獄での撮影について「風も光も差し込む中での撮影で、個性豊かな囚人たちとの関わりは本当に和気あいあいとしていて、居心地がいいんですね(笑)。あくが強い人達が多い中で人間模様がとても面白くて、それぞれが誰とも群れないんですが、“牢”の中から外のものをよく見ていて、とてもにぎやかで活気があります。お芝居をする上ではとても気持ちが良いなと感じていて、楽しく撮影ができました。でも、やっぱり1日撮影してみると、色んなものが不自由ですし、久子自身、自らの意志でここを離れずに残っていたということなので、相当な覚悟があったのではないかなと思います。毎日この中で過ごすということを考えるとやっぱり覚悟がいるので、その意志の強さというか、懺悔の気持ち、自分を戒める気持ちが強かったのではないかなと思いました」と振り返った。
また、久子と寅次郎の関係については「久子は、松陰が入ってくるまでに、すでに2年をここで過ごしていて、そこからの松陰の登場というのは、久子にとって多少は異性としての意識もあったと思うんですけど、松陰から『知』ということでの目覚めという意味で影響を受けたのではないかなと思っています。そこに対するこれからの志という部分で、かなり共鳴を受けたのではないかなと感じています。女性としての恥じらいのシーンでもあり、見られて恥ずかしいという気持ちも大きいのかなと思いながら演じました」と語った。
美術を担当した岡島太郎専任チーフプロデューサーは野山獄のセットの見どころを「文字だけの大まかな平面図から想像して作ったのですが、光あふれて、中庭があったりして、出入りが自由な感じにできないものかと考え、このような形になりました。竹洗いが突き上がっていますが、資料では廊下にピッタリとくっついています。普通の竹洗いは全く動かないものですが、それでは出入り感が出ないと思い、突き上げています。自由は自由なんですが、獄に入っているということを出すために、外にはいるけれどもかごの中に入っているということを表現したくて、竹洗いを突き上げ、空を格子状で埋めてしまい、光を受けて格子の影が地面に落ちているということで、空は見えるけれど、その空は格子でふさがれているという閉塞感も表現しています。獄というとジメッとした暗いイメージだと思いますが、久子の獄は、モラルに反して、女として死んだ、自分に戒めるために獄の中にいるということを表現できないかと思い、死をイメージするものやそれでも生きるというものを配置したりしています。死んでいるけど生きているという逆の発想ができないかなと思い、金属でできた蓮の花や、中身の無い鏡を置いたり、自分への戒めのために三味線の折れたバチを置いたりもしています」と細かい部分にもこだわって作っていることを明かした。
毎週日曜夜8:00-8:45ほか
NHK総合ほかにて放送