シャーロット、感謝の涙!「マッサン」全撮影終了
NHK総合ほかで放送中の連続テレビ小説「マッサン」が2月23日、北海道余市町ですべての撮影を終えた。
この日は、ニッカウイスキー余市蒸留所内の施設をスコットランドの登記所に見立て、玉山鉄二演じるマッサンこと亀山政春と、シャーロット・ケイト・フォックス演じるエリーの2人が結婚する回想シーンなどを撮影。オールアップとともにセレモニーが行われ、2人にスタッフや余市町の関係者らから花束などが贈られた。
セレモニー終了後に行われた北海道オールアップ取材会では、玉山、シャーロットの他、制作統括の櫻井賢チーフ・プロデューサーが出席した。
玉山は「北海道の皆さんに笑顔で迎えていただいて、励まされました。笑顔で『マッサン』『エリー』と声をかけてくださる、そのたびに僕たちのパワーにもなりました。そしてこのドラマには、余市という町の魅力が詰まっています。人、土地、そこから生まれるものに助けられ、その余市の魅力に負けないように責任感を持ってやってきたつもりです。われわれ夫婦はカメラに向かってお芝居をしているわけですが、どこかで北海道の皆さん、余市の皆さんに感謝の言葉を送りたいと日々思いながらやってきました。そんな僕たちの気持ちが皆さんに届いたときに、やっと完結するのかなと思います」と振り返った。
余市蒸留所を見下ろす山の上には、ドラマのモデルとなったニッカウイスキー創業者の竹鶴政孝・リタ夫妻の墓がある。玉山はそのことに触れ「そこからずっと僕たちを見ていてくださるような視線を感じることができ、責任感を持ってお芝居ができる環境だったと思います」と話した。
撮影最終日には、余市蒸留所以外に川沿いでもロケが行われた。「寒くて、吹雪というとても過酷な環境の上、太陽が出てこないので撮影が進まなくて。もしかするとこれは、どこかで神様がこの作品を先延ばししようとしてくれているのかなとも思えて。最後の最後まで『マッサン』を、北海道をかみしめながら待ち時間を過ごしていました」とエピソードも披露した。
長い連続テレビ小説の歴史の中で、初めて外国人ヒロインを務めたシャーロット。「感謝の気持ちがあふれています。北海道、日本で多くの人にお会いして、本当に第2の故郷ができたと感じています」と時折、声を震わせながら語った。
さらに「2つめの家族ができました。玉山さんには本当に感謝でいっぱいです」と言い、玉山に向けて「よく頑張った(笑)」と日本語で思いを伝えた。前日に一人で竹鶴邸の前にたたずみ、リタ夫人へ静かに感謝の気持ちを伝えて臨んだという余市での最後の撮影。「笑って、楽しく終わりたい」と思っていたようだが、ラストカットでは感極まり目を潤ませる場面もあったそう。
エリー役を振り返って思い出のせりふを問われると、ドラマ前半では「政春、一緒に日本に連れてって」、後半では「私は亀山エリーです。あなたと同じ人間です」だという。さらに、好きな日本語は、意味合いなら「わびさび」、響きなら「郵便局」だとか。
櫻井氏は約10カ月に及んだ撮影について、「早かったけど、濃かったですね。2人の踏ん張りがチームを引っ張って、そんなチームの熱気が皆さんに届いたんじゃないかなと思います。放送は終盤に向けて、ますます内容が濃くなっていきます。この愛と冒険の物語を結ぶにふさわしいステキなシーンを北海道で撮ることができて、とてもありがたく思います。最後の撮影シーンは、この先どんな苦しいことがあるか分からない中、愛を持って出発しようという2人の姿にグッと来てしまいました」とコメントした。
番組あてには最終回を待たずに、「マッサン」の新たな物語を望む声が多数寄せられているという。櫻井氏によると「お楽しみに」ということなので、続報を期待して待ちたい。
毎週月曜~土曜 朝8:00-8:15ほか
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