“ミスター”鈴井貴之が「便利屋」の裏側を語り尽くす
4月クールにテレビ東京系にて放送されたドラマ「不便な便利屋」のBlu-ray、DVD BOXが7月15日(水)に発売される。
同番組は、真っ白な雪に閉ざされた北海道の名もなき田舎町にある「便利屋」の日常を描くコメディードラマ。吹雪の日に北海道のある町に迷い込んだ新米の脚本家・竹山(岡田将生)が、ひょんなことからおせっかいを絵に描いたような松井(鈴木浩介)と、3度の離婚歴がある梅本(遠藤憲一)と「便利屋」を営むというストーリー。
Blu-ray、DVD BOXの発売を記念して、脚本&監督を務めた鈴井貴之に見どころを語ってもらった。
――「不便な便利屋」は町の人々と触れ合うことで、主人公が少し大人になっていく成長物語だと感じました。
以前から、どんな苦境でも明るい北海道・赤平の人々を投影させた物語を描きたいと思っていました。実際に赤平市民の皆さんもドラマに出てくれていて、スタッフも演者も地元の人も、現場でまったく隔たりがなくて。赤平という町の良さが伝わったと同時に、ドラマを見ている皆さんの町にも、たくさんの良さがあることに気付いてほしかったんです。
――“町”というものそのものの良さも投影されていますね。
田舎の人は「うちの町は何もない」なんて言いますけど、そこに人がいればストーリーが生まれるんですよ。「ふるさと讃歌」とまでは思っていないですけど、見方を変えれば、不便だったり不自由だったりすることも、自分で作るために考えて、時間をつくったりするんです。
知らないことを知る機会が、不便な町にはあるんですよ。ドラマを見て、よく知っている町を見直してもらえる機会になったらいいなと思います。
――ドラマでも“不便”というキーワードが何度も出ていました。
僕自身の経験なんですが、東京にいれば、ラーメンが食べたいと思ったらすぐに食べられるでしょう。でも、赤平にいるとラーメン店があまりないもので、自分で作ったことがあったんですよ。2晩くらい煮込んで、オリジナルを製作したんですが…味、すっごい普通でしたよ(笑)。でもそれは自分にとって経験になったし、こうしてネタにもなるし、まったく無駄になんてならないんですよね。
――主人公・竹山のように、田舎町で学ぶことは実際に多いんですね。
便利屋の3人が住む家は“クマゲラハウス”という名前なんですが、実はもともとはダークブラウンの家にモスグリーンの屋根で、丸みを帯びた至って普通のログハウスの予定だったんですよ。それが、セットを造った大工さんが「クマゲラにしませんか?」と言ったことが始まりで、今のような鳥の形になったんですね。
――初めて耳にした名前です。
クマゲラというのは、絶滅危惧種に指定されている鳥なんですが、赤平ではよく見られる生き物なんです。さらに、クマゲラはアイヌ民族に道案内の神様としてまつられている。ドラマの内容にも即す上に、貴重な鳥がこんなふうに見られる機会はないと推してくれたんです。大工さんがですよ(笑)。
――現場のスタッフ同士が切磋琢磨しあう様子がうかがえますね。
そこで、僕も彼の意見に胸を打たれて、じゃあ台本にも反映させようと。こうしていろんな人がいろんなアイデアを持ち寄ってできたドラマですから、地元の人々と触れ合うことなしにはできないものだったんです。地元の皆さんにたくさんのことを教えていただきました。
――地元の人々とは、ギネス世界記録にも挑戦されていました。
ドラマとドキュメンタリーの融合を目指しました。主人公の竹山が、町にとって何ができるかと苦悩して挑戦した世界記録ですから、ストーリーとしても感慨深いものがあると思います。Blu-ray&DVD BOXでは特典映像にドラマと違う、バラエティーに近いものがたくさん詰まっていますから、ドラマを取り巻く「便利屋」の世界観を味わってほしいですね。
Blu-ray&DVD BOX
7月15日(水)発売
Blu-ray 1万9000円(税抜)
DVD 1万5200円(税抜)
発売元=「不便な便利屋」製作委員会
販売元=東宝