バスケ日本代表・松井啓十郎を直撃！五輪出場の鍵は!?
現在、内外から注目を集めている“ハヤブサジャパン”バスケットボール男子日本代表チームが、2016年リオデジャネイロ五輪への出場を懸けた戦いをスタートさせた。リオ五輪の予選も兼ねたアジア選手権が9月23日(水)に開幕となり、現在はその前哨戦となる“第37回ウィリアム・ジョーンズカップ”に参戦。
今回、日本代表チームの一員であり、トヨタ自動車アルアバルク東京所属の松井啓十郎選手に、日本代表チームの現況やリオ五輪への道のりについて語ってもらった。
――日本代表のメンバーに選出されて、6月から強化合宿や海外遠征を行っていますが、チームの状態はいかがですか？
「長谷川健志コーチのバスケは初めてだったんですけど、日本のアドバンテージであるシュート力を生かしたり、速い展開を目指していますね。中国遠征(7月25日～8月2日)の『2015 Atlas Challenge』では、みんな最初どんな感じか掴めていなかったと思うんですけど、後半戦から徐々に日本らしいプレーも見え始めたし、最初3連敗だったのが2連勝で終えて、結果5位でした。
ヨーロッパ遠征(8月5日～13日)でも日本人より全然大きい体格のオーストリア代表に勝って、チェコとの国際強化試合(8月14日～16日)でも良い試合ができたと思うので、チームとして上達していると思います」
――松井選手個人としては武器であるスリーポイントが好調でしたね
「代表に入ると役割がハッキリするんです。自分のチームだったら、いろんなことをしなきゃいけない選手がほとんどだと思うんです。でも代表に入るとスーパースターたちが一緒になるので、自分の役割をやらないとチームとして成り立たないんですよね。
ベンチから出てスリーポイントを打つ、それが自分の役割だと思います。それがダメなら試合に出られないし、それがよければ試合で使ってもらえると思っているので、いいときもあれば悪いときもあるけど、そこは悩まずにやれる感じです」
――NBAでいえばアトランタ・ホークスのカイル・コーバー的な役割でしょうか？
「スポットアップでスリーポイントを決めるという感じなので、コーバーというよりはサンアントニオ・スパーズのマット・ボナー的な(笑)。本当にハッキリしてますね、お前はスリーポイントだけ打てば良いんだよって。極端に言えばマット・ボナーです(笑)」
――第1次強化合宿からは2カ月になりますが、チームの雰囲気はいかがですか？
「ベテラン組もいれば若手組もいるけど、オンでもオフでもコミュニケーションを取っていますし、みんないい感じに溶け込めてると思います。シーズン中は対戦相手ですけど、『コノヤロー！』とか『あのチームの選手大嫌い！』ってのはないです(笑)。
それこそ橋本竜馬なんかは、対戦相手のときは『すげぇやらしいディフェンスしてくるな！』って思うんですけど、同じチームになると『こいつ良いわ！』ってなるし。試合後やオフコートだとすごい面白いやつなんで、一緒にいて楽しいってのはありますね。そうやって違うチームの選手と仲良くなったり」
――8月27日～9月7日に開催される「ウィリアム・ジョーンズカップ」での課題を教えてください
「勝たなきゃいけない大会ではないので、それより自分たちが、より良いバスケットをできるようにしていかなければいけないです。勝負どころでのプレーだったり、メンタル面もそこでしっかり習得できれば、アジア選手権で接戦になったときや、悪い雰囲気になったとき、どうすれば良いかっていうのが得られると思うので。勝ちにいきたいですけど、それよりも内容の方が重要だと思います」
――リオ五輪の予選も兼ねているアジア選手権(9月23日～10月3日)には16チームが参加、リーグ戦を経て上位8チームでトーナメントが行われます
「イラン、日本、マレーシア、インドと同じグループで、一番初めの試合が前回王者のイランなんですよ。『ウィリアム・ジョーンズカップ』でもイランは本気のメンバーで来ると思うので、特徴を把握できると思います。初戦でイランとやれるので、勝てば波に乗れますし、短い期間の一番良いときに盛り上がれる。
初戦で勝てばベスト8のトーナメント戦でも良いスポットに入れると思うので、ベスト4が狙えると思います。トーナメントの1回戦で中国やフィリピンと当たってしまうと難しいので、そこで良いスポットを取るには、リーグ戦で勝たなきゃいけないので、やはりイラン戦が重要ですね」
――WOWOWオンデマンドの番組ではリオ五輪に行きますと宣言されてました。アジア選手権で優勝すれば五輪出場、2位か3位なら五輪最終予選に進めますね
「それくらいの目標を持たないといけないですよね(笑)。最終予選は行くだけでもミニオリンピックみたいなものなので、良い経験にもなると思いますし、そこで奇跡が起こるかも知れない。川淵さんが言っていた『奇跡を起こせ』という言葉通りに」
――それでは最後に、読者の方にメッセージをお願いします
「今、日本のバスケットボールは良い意味でも悪い意味でもすごく注目されていると思います。特に男子はオリンピックや世界選手権には長年行っていません。オリンピックに行ける可能性はそんなに高くないとは思いますが、そこに向けて頑張って、本当に日の丸を背負っているというプライドを持ってプレーしています。一度会場に来て試合を見てもらえれば、バスケットボールというのが凄い楽しいスポーツだと感じてもらえると思うので、是非足を運んでもらいたいと思います！」
この記事はWEBザテレビジョン編集部が制作しています。
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