矢柴俊博が一人芝居イベントを再び開催
矢柴俊博が、昨年夏に開催した一人芝居イベント「ヤッシーナイト」の第2弾を開催する。矢柴は、現在放送中のTBS系ドラマ「結婚式の前日に」(毎週火曜夜10:00-10:54)で、香里奈演じる主人公が勤める会社の厳しい上司役を好演中で、テレビ朝日系「手裏剣戦隊ニンニンジャー」(毎週日曜7:30- 8:00)にも出演する名バイプレイヤー。
同イベントは飯田譲治、山崎貴、千葉雅子、ジュウノメといった豪華脚本家による4本のオムニバス一人芝居を中心に構成され、芝居の最中にトークショーもあり、ゲストも登場する新しい試みの舞台となる。矢柴に開催直前の心境を語ってもらった。
――昨年に続いて一人芝居イベントを開催しようと思ったきっかけを教えてください。
昨年の「ヤッシーナイト」でのトークで来年('15年)もやると言った手前、もはや意地みたいなものです。自分の俳優人生、このままでいいのかと思って、残りカスのなくなるまで自分の力を使い果たしているのか自分を試したかったからですかね。最も過酷なことをしようと思った末の4本の一人芝居です。
見どころは4組の作家による全くタイプの異なる4本の一人芝居と日替わりゲストのトークショー。アフタートークならぬインターバルトークで、芝居の最中にトークを挟んでみて、何をさせられるのか？ みたいなドキドキ感があふれています。
――4本の一人芝居の脚本家についての印象は？
飯田譲治さんとは長いお付き合いで、僕が初めてお会いした映像の監督です。同時に僕に初めて名前のある役をくれた方でもあるんです。(一人芝居では)NHKドラマ「アイアングランマ」に呼んでもらった時の役を主人公にして、膨らませて一人芝居の台本にしてくれたもので、いわゆるスピンオフでしょうか。この題材を一人芝居でやるとは案外、例がないかもしれないという面白いネタです。
山崎貴さんには思い切って依頼したら、「書けたら書きます」という返事でしたが(笑)。結果的に見事に書き上がったものが送られてきました。つかこうへいさんの台本をやった昨年の「ヤッシーナイト」を見に来てくれて、「どうせならオリジナルやったら？」と言い残して帰っていかれたんです。
ことし、依頼する作家をどうしようか悩んでいた時にその会話を思い出し、ならばオリジナル書いてもらおうと、身の程知らずの前代未聞のオファーをしました。昨年度の邦画興行収入1位2位を独占した脚本家が、小劇場に書き下ろしたという大事件です！
千葉雅子さんは、かつて僕が自分の小さな演劇チームで四苦八苦していたころから、演劇の雑誌でカラーページで紹介されたり、華々しく活躍なさっていた方です。その後、映画の現場で俳優として共演したことから連絡先を交換させていただきました。
複数の架空の人物が登場して、さまざまな架空のせりふが交わされるような、想像力を刺激する一人芝居の妙が詰まった作品というか、役者の想像力、表現力、集中力が問われる作品です。
ジュウノメは、若手ライターが集まって作ったシナリオ制作集団です。彼らのチーム結成初めての作品で、みんなで1本の作品を作るという珍しい創作の試みで、5本の脚本を提出してもらった中から1本を選ばせてくれました。
――一人芝居の難しさとは何でしょうか？
一人芝居の稽古というのは、たった一行のせりふすら、簡単にノリで先に進めることができず、弱り果ててしまいます。一瞬でも架空の相手に対する目線や合いの手がズレると、何がどうなっているか訳がわからなくなり、一行を成立させるのに途方もなく時間と手間がかかるんです。
ましてや、せりふを覚える自主稽古だと、完全に孤独故に、まるで客観性を持てず、どうしてよいか袋小路にはまるような感じです。ただ、険しい高い山を登っていくかのような一歩一歩の充実感は確かにあるのかもしれません。
「ヤッシーナイト」を通じて、一人芝居の面白みと自分の可能性を追求していきたいと思っていた…けれど、今回が成功しないと展望も何もない、粉々になるかも(苦笑)。
――TBSドラマ「結婚式の前日に」、テレビ朝日「ニンニンジャー」と仕事が重なりましたが？
TBSドラマ「結婚式の前日に」は、よりによって香里奈さん演じる主人公と一番関わり合いを持つ回の撮影が、ヤッシーナイトの直前稽古にかぶってしまい、てんやわんやでした。でも撮影現場に行くと、その撮影でのことしか考えられなくなるんです、役者ってそういう生き物なんですね。
テレビ朝日の「手裏剣戦隊ニンニンジャー」は、ありがたいことに協力的で、感謝感謝です。しかも10月31日(土)のゲストにモモニンジャーの山谷花純さんが来てくれます！
さらに日替わりとして、フジテレビ「痛快TVスカッとジャパン」(毎週月曜夜7:57-8:54)の木下ほうかさんも出演します。
――舞台直前ですが、現在の心境は？
とてつもないプレッシャーの中にいまして(笑)。「表現しきれるのだろうか？ 成立させられるのだろうか？ まだどうなるのか分からない」とのたうち回っているのが本番前の現在の正直なところです。
どうなるか分からないことだからこそ、トライする価値があるのだと自分に言い聞かせています。よろしければ、このしがない一脇役役者の、追い詰められた姿を眺めにでも、足をお運びいただけたら幸いです。
この記事はWEBザテレビジョン編集部が制作しています。
10月29日(木)～11月1日(日)
東京・早稲田小劇場どらま館
脚本：山崎貴、千葉雅子、飯田譲治、ジュウノメ
演出：小池竹見(双数姉妹)
主演：矢柴俊博
■日替わりゲスト
10月29日(木)オラキオ(弾丸ジャッキー)
10月30日(金)木下ほうか＆オラキオ(弾丸ジャッキー)
10月31日(土)昼2:30飯田譲治、夜7:30山谷花純(モモニンジャー百地霞役)
11月1日(日)昼2:30、夜6:30村上てつや(ゴスペラーズ)
