ドリフェスがX JAPANの固い絆のステージで終幕
11月21日~23日まで東京・国立代々木競技場第一体育館で行われた「~5th Anniversary~テレビ朝日ドリームフェスティバル2015」は、3日間で総勢18組、3万3000人の動員を記録して、大盛況のうちに幕を閉じた。
初日が、ゲスの極み乙女。、KNOCK OUT MONKEY、[Alexandros]、MAN WITH A MISSION、9mm Parabellume Bullet、B'z。
2日目はback number、秦基博、西野カナ、星野源、槙原敬之、三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE。
そして、3日目は関ジャニ∞、キュウソネコカミ、凛として時雨、aiko、椎名林檎、X JAPANが思い思いに熱いパフォーマンスを披露した。(表記は登場順)
今回、5周年記念の本フェスで3日間の大トリを務めたX JAPANのライブの模様を紹介する。
11月23日の3日目、トリ前の椎名のステージが終え、セット転換が始まると、一気に会場がそわそわした空気に。残り1組、X JAPANのステージが迫るにつれ、どこからともなく「We Are X!」コールが始まり、拍手やウエーブで“伝説の舞台”への期待感が会場を支配していく。
X JAPANのワールドツアーの模様を収めたVTRが流れ、この日のトップバッターを務めた関ジャニ∞も観客席に登場。X JAPANの登場を今か今かと待ち構えていると、YOSHIKIがドラムスティックで“Xポーズ”を作って現れる。上着を脱ぎ、上半身裸になっていざオンステージ。
ボーカル・ToshIがハイトーンボイスで「会いたかったぜ~! 全身全霊を込めて、気合を入れてけ~!」とあおり、オープニング曲「MIRACLE」から「JADE」へと流れるようなパフォーマンスを繰り広げる。ステージ前方には炎が上がる演出もあり、一気にX JAPANの世界に観客が入っていった。
3曲目は、X JAPANとして初めてオリコンシングルCDランキング1位を獲得した思い出の曲「RUSTY NAIL」。イントロから熱狂的ファンを中心に会場のボルテージはMAXに。
ライブでは恒例の、ToshIがサビの部分を観客に歌ってもらうべく、マイクを向けるパフォーマンスをすると、満員の観衆から一斉に歌声が響き渡る。老若男女問わず、力強く口ずさむ観客の姿に、ToshIもうれしそうな表情で会場を見詰めていた。
その後、YOSHIKIがおもむろにピアノの前に座り、彼らの代名詞ともいうべき名曲「KURENAI」のイントロを静かに弾き始める。YOSHIKIの奏でる繊細ではかなげなピアノサウンドと、SUGIZOの妖しくも切ないバイオリンの二重奏で、ファンは高まる気持ちを抑えられない。
そしてToshIの「KURENAIだ~!」の絶叫から、YOSHIKIの激しいドラムで一転してハードロック調のテンポに流れていくと、ヘッドバンキングをして応えるファンの姿も。中にはYOSHIKIさながら上半身を脱ぎだすファンもいて、会場全体が“紅に染まった”。
激しいパフォーマンスを終えた後は、ToshIからYOSHIKIへマイクが手渡され、「すてきなフェスに招待していただいてありがとうございます。とても苦しい日々、悲しい日々を費やしてこの日まで来られました。
きょうもたくさんのアーティストの方が出られていました。皆さんの好きなアーティストをこれからも応援してあげてください。僕らがここに立てるのは、何十年も応援してくれたファンの皆さんのおかげ。本当に感謝しています。僕らから感謝の思いを込めてこの曲を送ります…『FOREVER LOVE』」とYOSHIKIが、感謝の思いを伝える。
そしてYOSHIKIのピアノとToshIのボーカルのみの構成で同曲を披露し、それまでノリノリで曲に合わせて揺れていたファンもこの時ばかりは静かに、時折涙を浮かべながらじっと聴き入っていた。
しんみりと聴かせた後は、「BORN TO BE FREE」「X」という激しい曲を連続でパフォーマンス。「X」では、ToshIとYOSHIKIが代わる代わる「We are…(X)」とあおり、オーディエンスが「X!」と言いながら飛ぶ“Xジャンプ”で応えるキャッチボールを続ける。会場全体がお祭り騒ぎの中、X JAPANはステージを降りた。
その後、アンコールを求める声に応じ、再びメンバーがステージへ。ToshIは「20年ぶりのジャパンツアーがいよいよ始まり、終わったらまたワールドツアーへつながっていく。そして来年3月には20数年ぶりのニューアルバムが出る…といううわさを聞きました。本当に出るんでしょうか?(笑)」ととぼけ、観客を笑わせる。
「ここがX JAPANの新しいスタートのステージだ! これからもよろしく頼むぜ!」というあおりから、最後の曲「ENDLEES RAIN」へ。
曲中、スクリーンにはHIDEやTAIJIら天国にいるメンバーも含めた過去のライブ映像やオフの映像などが流され、ファンも万感の思いで「ENDLESS RAIN」を大合唱した。
曲を終えると、センターステージでYOSHIKIがToshIをおんぶしたり、2人で倒れ込んだり、会場をバックに“自撮り”をするなど、ドリフェスのラストステージを満喫。メンバー全員で手をつなぎ、何度もバンザイをした後、YOSHIKIの「本当にありがとう! 最後に“We are X!”」の絶叫で、伝説のステージは幕を下ろした。
YOSHIKI、ToshIという2人のカリスマが共存するX JAPAN。代々木で繰り広げられた全身全霊のステージで、彼らの“永遠の愛”はファンの心にしっかりと刻まれたことだろう。
この日、X JAPANのステージが始まる直前から降り続けた雨は、終幕後もしばらく降り続いていた。それはHIDE、TAIJIが天国から地上のメンバーへ贈った感謝の“涙雨”だったのかもしれない。
11月21日~23日まで東京・国立代々木競技場第一体育館で開催
「テレビ朝日ドリームフェスティバル2015」
'16年1月
CSテレ朝チャンネル1にて独占放送予定
※出演アーティストは未定 ※放送概要は変更の場合あり
【HP】www.tv-asahi.co.jp/ch/dreamfestival/
【X JAPANセットリスト】
1:MIRACLE
2:JADE
3:RUSTY NAIL
4:KURENAI
5:FOREVER LOVE
6:BORN TO BE FREE
7:X
アンコール:ENDLEES RAIN