近松演じる松尾スズキ「僕もヒット作書かなくては」
1月14日(木)から放送される木曜時代劇「ちかえもん」(NHK総合)の試写会が行われ、その後の会見に松尾スズキ、青木崇高、富司純子が登壇した。
「ちかえもん」は、江戸時代の人形浄瑠璃作家・近松門左衛門の代表作「曾根崎心中」の誕生秘話を大胆に創作した人情喜劇。偶然出会った風変わりな渡世人・万吉(青木)のせいで、さまざまなトラブルに巻き込まれるスランプ作家・近松(松尾)は、その中で人間のたくましさを知り、執筆に生かしていく。
時代劇でありながら、松尾・青木の軽快な掛け合い、随所で折り込まれる松尾のツッコミ混じりのモノローグなど、コミカルな作りは普段時代劇を見ない層の心も捉えそうだ。
松尾は、今回の脚本について「(話の)筋ばかりの脚本が最近多いですが、この作品はせりふが丹念に書かれています。そのおかげでキャラが立っている。その上、ギャグのセンスもいいんです。自分も劇作家をやっているので厳しく見てしまいますが、言ってみたいと思うせりふがたくさんありました」と藤本有紀の脚本を絶賛した。
青木も「これまでの木曜時代劇とはテイストが違うと思います。モノローグもそうだし、歌が入ったり、アニメーションが入ったり。時代劇に親しみのない人も食いつくんじゃないかと思います」と期待をのぞかせた。
青木が演じる万吉は、変わり者ぞろいの作中でも屈指のトラブルメーカー。「これまで演じたことのないキャラですが、人間ではない存在として見てから演じやすくなりました。ちかえもんのことを衛星のように近づいたり遠ざかったりしながら見守る存在です」とコメント。
近松を題材にしたことについて、制作統括の櫻井賢チーフ・プロデューサーは、「脚本の藤本(有紀)さんが『近松門左衛門で行く』と言ったときは、正直『それ、行けるのか?』と思いました」と告白。「でも、素晴らしいキャストにも恵まれ、現場スタッフたちが時間を忘れて撮影に明け暮れています」と続け、手応えも語った。
それを受けた藤本は「まさかそんなに櫻井さんが悩んでいるとは思いませんでした」と笑顔。近松については「櫻井さんの『大阪ならではの人で、時代に風穴を開ける勢いのある人』というリクエストから候補に挙がった一人です。調べるほど“人間味のある、面白いおじさん”だと感じて、そんなふうに書いてみました」と今回の近松像を説明した。
そんな近松を演じる松尾は「スランプ作家というところにシンパシーを感じます(笑)。近松は50歳を過ぎて『曾根崎心中』を描きましたから、自分もこれから何か一つヒット作を書かないと」と笑顔で語った。
1月14日(木)スタート
毎週木曜夜8:00-8:43
NHK総合で放送