「信長協奏曲」森蘭丸役・冨田佳輔の前世は縄文人?
公開中の小栗旬主演映画「信長協奏曲(コンツェルト)」に、信長(サブロー/小栗)の小姓・森蘭丸役で出演する若手注目俳優・冨田佳輔にロングインタビューを実施。
映画に出演した感想や撮影秘話、カブトムシや動物が好きだという素顔について、3日間にわたって語り尽くしてもらった。
――「信長協奏曲」で演じる森蘭丸という人物はもともと知っていましたか?
もちろんです。織田信長=森蘭丸というイメージですから。今回演じる前に、あらためて少し勉強をしました。
――どういう勉強をしましたか?
今はインターネットという便利なものがありますので(笑)。それで調べたり、過去に他の俳優の方が森蘭丸をどう演じられていたのかを研究するために、他の作品も見たりしました。
――勉強して、どういう人物だったんだろうと思いました?
とにかく強い!ということですね。あとは信長と蘭丸が本当に付き合っていたのか…といううわさの部分、実はそっちの方が気になっちゃいました(笑)。
――まことしやかにささやかれていますもんね(笑)。では、殿・信長(サブロー)役の小栗さんとはお話しできましたか?
現場に入った時に、皆さんドラマからのメンバーだったということもあって、一つのチームとして完全にでき上がっている空気感だったんです。そこにポツンと入る感じだったので、最初は皆さんにごあいさつさせていただくだけで精いっぱいでした。
ちゃんとお話させていただいたのは本能寺のシーンでした。本当に本能寺のセットがすごかったんです! 実際の本能寺を再現して山の中に建てていて、最終的にはそれを燃やしちゃったんですけど、そのセットは細かいところまで作ってあって驚きました。
そこを小栗さんと一緒に「セットすごいですね」「これ燃やしちゃうのもったいないですね」などとお話ししました。
――実際に燃やされるところは見ていなかったのですか?
僕のシーンは先に撮り終わったので見られなかったんですよ…。本能寺のシーンの撮影が全て終わった後に燃やしたので。本能寺で戦うシーンの撮影のときは、これまで殺陣をやったことがなかったので緊張しました。台本上ではその殺陣のシーンはそこまで細かく書いてなくて、僕がイメージしていたよりハードで、しっかりと殺陣をやったので大変でした。
やはり蘭丸と言えば強いというイメージがあって、しかも短刀でパパッと切り捨てるので、ちゃんと動きを覚えないといけない。一緒に戦う殺陣師の方々に何度も稽古していただいて覚えました。本当に必死にやっていたので、擦り傷ができていることも、その日にホテルに帰ってからヒリヒリするなあと思って見たら気付いたくらい殺陣に集中していました。
実際に蘭丸も殿を守るために必死だったんだろうなと思いましたし、毎日生きるために必死だったんだろうなというのは理解できました。そういうことも含めて、この作品に参加できて良かったです。
――昔、“チャンバラごっこ”などはやらなかったんですか?
やらなかったですね。どちらかと言えばブルース・リーが好きだったので、ブルース・リーの物まねはしていました。ヌンチャクとか持って(笑)。
――この経験を生かしてまた時代劇やりたいですか?
そうですね。今作の「信長協奏曲」も含め、その前の大河ドラマ「花燃ゆ」('15年、NHK総合ほか)でも、時代劇の奥深さというか、魅力を感じましたので、ぜひまたやってみたいです。
――今回は戦国時代ですが、もし自分がタイムスリップして行くとしたら、いつごろに行ってみたいですか?
昭和40年代くらいがいいですね。その時期は音楽も、海外の音楽が入ってきたり、フォークソングがはやっていたり、一番いろんなことが動いた時代だと思うんですよ。そういう新しい波を楽しめた時代というか。
今は今で便利なのですが、その時期に生まれていればそれも楽しめたのだろうし、幅広く文化が動いていくのを感じられるから。その時代はちょっと面白そうだなと思うので、もし行くならその時代に行ってみたいです。
――実際に昭和歌謡などは聴かれるんですか?
たまに聴きます。むしろ親が好きなので結構、無意識に聴いています。それを聴いて育ったというのもあるのかも知れないです。逆に縄文時代とかそれ以前の話は全く興味がないんですよ。
不思議なんですけど、学生の頃に社会の教科書を読んでいて、原始人がマンモスを襲ってるのを見た時に、想像が付いたんです。たぶん俺の前世はそこにいたんじゃないかなと…。
――え? 縄文時代に?(笑)
いやいや、笑うところじゃないですよ。本当にいろんな人に言い続けているんですけど、たぶん前世は縄文時代に生きていたんです。見えるんですよ、マジで。
そんな疑いの目を向けられても…ガチですから! だからそのあたりの時代には興味が無いです。一回生きて分かっているので。
――ああいう時代だったなあ…って?
はい。あの時代は大変だったなとか、マンモス狩りをしていた自分の姿が想像つくので、もういいです。だから未来の方が見てみたいですよ(笑)。
――ちなみに近未来の話で、ご自身はこれからの目標というか、やってみたい仕事、方向性は定まっていますか?
映画が好きなので映画のお仕事に興味があります。でも、今回時代劇をやらせてもらって、時代劇もさらに突き詰めてやってみたいと思いますし、純愛みたいな作品も興味がありますし、言ってみればいい作品にたくさん出合いたいなと。
ベタですけどそう思っています。もともと日本舞踊をちょっと習っていたこともあって、時代劇風の作法とかは得意な方ですが、殺陣ももっと磨き上げて、これをきっかけにもっと時代劇をやっていきたいと思いました。
【冨田佳輔「バレンタインと言えばネギチョコです」 へ続く。同記事は1月30日(土)朝7時掲載予定】
冨田佳輔(とみた・けいすけ)
1991年12月18日生まれ 岐阜県出身
映画「那須少年記」('08年)でスクリーンデビューし、以来「探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点」などの話題作に出演。
映画「吠えても届かない」('14年)で初主演を果たした注目の若手実力派俳優。
現在公開中の映画「信長協奏曲」に出演する他、3月19日(土)放送の「双葉荘の友人」(WOWOWプライム)に出演する