「素敵な選TAXI」竹野内豊×バカリズムトーク(2)
(「素敵な選TAXI」竹野内豊×バカリズムトーク(1)から続く)
――今回、物語の舞台は熱海に選ばれたわけですが、実際に脚本家として現場を訪れたりしましたか？
バカリズム：いや、実は行きたかったんですけど、行けてなくて(笑)。カフェ「choice」のメンバーのみんなで、LINEグループがあるんですが、みんな温泉に行きたがってたんですよ。それで、何とかもし(温泉に)行けそうな脚本ができたら、エンディングでうまくちょっとだけ行って、温泉に入って帰ろうみたいなことで盛り上がってたんですけど、結局やっぱりどうしても、(温泉に)行くように書けなかったです(笑)。
――今回枝分さん(竹野内豊)を熱海に連れて行って、どういうふうにしようと構想されて書いていきましたか？
バカリズム：そうですね、何だかどっちかっていうと、枝分さんのキャラクターが完全に出来上がっていて、なんかもう、あんまり考えるというよりも、枝分さんはこう言うだろうって(笑)。自分でどうっていうよりも、こういう現場(温泉)に来て、こういう人と会ったらたぶんこう言うだろうなっていうふうに、割と自然に何の苦労もなく書けたので、もう、すごく楽しかったですね。
竹野内：枝分さん、すごく優柔不断なところがあるんですよ(笑)。とにかく、メニューを(カフェ)choiceにいる時もなかなか決められない。今回も、ホテルのロビーで部屋を取るのにすごく時間がかかってて、その支配人とのやりとりが、もう、これでもかっていうくらい、ずーっと続く描写があってすごい面白かったんですけど(笑)。
――今となっては枝分さんは竹野内さん以外では考えられないという感じでしょうか？
バカリズム：そうですね。もう、一人歩きしてるから台本があとからついてく感じですね。
――キャラクターが確立している枝分さんですが、今回のSPでは枝分さんに新しいキャラクター性が見えたりとか、ちょっと新しい一面みたいなところは出てきたりするんでしょうか？
バカリズム：ちょっとテンションは高いですね。スペシャルだと、(温泉地への)旅でちょっとテンションが上がってる感じ。僕がテンション上がってたというのもあるんですけど。何かね、(枝分の)乗客の人とのやりとりが結構しつこかったりするんですよね(笑)。
竹野内：ひとひねり、ふたひねりどころじゃない(笑)。
バカリズム：そうですね(笑)。もうどうでもいいことをずっと質問してたりとか、普通そんなところ、ドラマで引っ張んないだろうっていうシーンが、やたら長かったりしますね(笑)。枝分さんがひたすらずっと乗客にインタビューしてるんですけど。
――お話を伺ってきて、すごく作品への愛着や、お二人の信頼関係みたいなものも感じるんですけども、あらためてスペシャルでご一緒してみて、お互いの印象というのはいかがでしょうか？
竹野内：バカリズムさんは、もう、本当に引き出しがどれだけあるのかなって感じで、底なしの、と言いますか。今回このスペシャルドラマが終わった後に、おそらく枝分さんはまた、しばらくお休み…になるんですけども、この話はいくらでもエピソードが作れる話だと思うので、そうですね。知りたいのは、枝分さんは本当はどこから来た人なんでしょうね。
バカリズム：それ、ずっと言ってますね(笑)！
竹野内：実はこのカフェ「choice」って今回移転したことになってますけど、移転して、実は時空というか…どこにいるんだろう(笑)。この「choice」は実はどこにあるのかなとか、でも枝分さん、床屋だった過去もあるなとか。
そういう、発想がユニークでウイットに富んでいて、本当に飽きないですよね。バカリズムさんの世界観が本当に面白い。だから本当、連ドラが終わった後にいろいろな人たちから「あれ、またやらないんですか」って言っていただいて、スタッフの人たちからそういうことを言われるっていうのは、これまであんまりなかったですね。
――完成作を通して見るのも楽しみですね。
バカリズム：はい、もう、本当に枝分さんがもともといたみたいな感じになっちゃってて。僕も連ドラからずっとやってて、竹野内さんがもう(枝分に)なり過ぎてて。
だから、朝とか(現場で)枝分さんになる前の竹野内さんに会うと、ちょっと人見知りしちゃうんですよ(笑)。「あ！ 竹野内さんだ！」って思っちゃうんですよ。
それで、枝分さんになると、「あ！ 枝分さんだ」って(笑)。もう本当に別の人と言うか。連ドラをやっていない間も、こういう人がずっともう、どこかに存在してるくらいの感覚で。今回は(脚本を)書いたっていうよりも、久々に会えたっていう感じですね。
――最後に、今回のスペシャルドラマの見どころと、メッセージをお願いします。
竹野内：もう、どこがここがっていうことが言えないくらい、バカリズムさんの緻密な仕掛けが最後まで続いていきます。また、今回は連続ドラマの時にはなかった、一つのホテルの中で、そこに宿泊する人たちの4つのエピソードが織り交ざっていくんです。そうやって物語が展開していくので、見ていて本当に飽きないと思いますし、今まで連続ドラマを見てくださった方はもちろん、今まで連続ドラマをご覧になられてない方でも、すっごい楽しめると思うので、ぜひこのスペシャル楽しみにしていてください。
バカリズム：今回は本当にもう、お祭りのような感覚で書きました。いろいろ詰め込んでると言いますか、車内での会話もそうですし、ちょっとした枝分さんのおふざけの部分だとか、いろんなものが詰め込まれていると思うので楽しいと思います(笑)。書いた僕が楽しかったので(笑)。初めて見る方も、楽しめる内容になっていると思います！
この記事はWEBザテレビジョン編集部が制作しています。
4月5日(火)夜9:00-11:24
フジテレビ系で放送
