菅谷哲也、鬼才・三池崇史作で変人役「俳優の殻破れた」
4月29日(金)公開の映画「テラフォーマーズ」の前日譚を描く、オリジナルドラマ「テラフォーマーズ/新たなる希望」が4月24日(日)から映像配信サービス「dTV」で独占配信される。
dTVオリジナル「テラフォーマーズ/新たなる希望」は、映画本編で火星へ飛び立つ15人の地球人がどのように選ばれたのかを描く物語。宇宙船「バグズ2号」に乗船する人間の適性検査を行う研究施設を舞台に、火星行きを懸けて、候補者である荒くれ者たちのだまし合いやいさかいが展開される。映画版は三池崇史が監督を務め、ドラマ版は三池が監修し、山口義高が監督を務めた。
そこで、候補者の一人・小池昇役でオリジナルドラマに出演する菅谷哲也にインタビュー。普段の“てっちゃん”のイメージとはほど遠い、トリッキーな役どころを見事に演じきった菅谷に見どころを聞いた。
――出演が決まった際の感想をお聞かせください。
すごくうれしかったんですけど、どちらかというと不安が大きかったですね。とてもスケールの大きな作品ですし、アクションシーンもたくさんあるとお聞きしていたので、正直「僕に務まるかな」と思いました。現場に入った初日に、すごく萎縮したことを覚えています。
――菅谷さん演じる小池は、金や権力目当てで参加した他の候補者たちとは異なり、本多博士(小栗旬)のファンで火星オタクという人物。所構わず火星愛を語り、火星愛が足りない人には憤怒するという変わり者の役どころでしたが、役を知った時はどう思いました?
まず、メンバーの中で一番純粋な人物だと思いました。火星に行きたい理由や、宇宙を愛する気持ちが純粋なので、素直に役を作ろうとしましたね。まずは素直に火星を好きになろうと思い、火星のことを知るところから始めたんです。
――では、実際に調べものをされたり?
そうですね、最初の作業は台本を覚えるというより、ノートに火星のことを書き記していく作業が中心でした。ずっと家にこもって火星について調べていったんですけど、そうすると自然と火星に対する好奇心が湧いてきて好きになれたんで、その気持ちを小池として素直に出せたらいいなと思いました。
――ちなみに火星のどんなところが興味深かったですか?
火星ってスケールがすごく大きいんですよ。例えば火星の山は麓からてっぺんが見えないとか、川が通っていた跡もあるんですが、その溝がすごく深いとか、なんでも大きい(笑)。男子なんで、そういう情報はすごくテンションが上がりましたね。
あと、これは都市伝説かもしれませんけど、人類は既に火星にいる、みたいな説も。アメリカの機密機関が秘密裏に送っていて、そこには何千という人が収容できるスペースがあるらしいんですね。でも火星には宇宙人が他にも3種類ぐらいいたらしく、その宇宙人ともめて、結構な数の人間たちがやられて、重要な役割を担っている地球人だけが戻ってきた…なんて話もあるみたいですよ(笑)。
――まさに小池のように楽しそうに話してくださいますね(笑)。演じてみて、難しかったところはありますか?
非常に振り切れた人物で、急にスイッチが入って心情が変わったりするんですよ。その、いきなり心情を替えるスイッチを探す作業が難しかったです。「なんで小池はここで急に怒るんだろう」と思う場面もありました。でも、突き詰めて考えると、それは火星への思いが純粋だからこそなんですよね。
ここまで振り切れた役は初めてだったので、俳優としての殻を破れたというか、新しい自分にも出会えたような気がしています。
――感情を爆発させる演技は楽しかったですか?
難しかったけど楽しかったですね。普段の自分とは真逆なので、あそこまで感情を振り切る瞬間はそうないですから。今まで、自分の中に秘めていたものがあったんだな、と。
――主演の伊藤英明さんとのエピソードがあれば教えてください。
僕、22歳の誕生日を現場で迎えたんですが、伊藤さんから誕生日プレゼントをいただいたんですよ。きれいに包装された、大きくて四角い物をもらったんですけど、ズンと重くて、なんだろうと思って楽屋に帰って開けたら「奇界遺産」(※)っていう図鑑が入ってたんです。すごいうれしかったんですが、どんなメッセージがあったのかなと…(笑)。今でもずっと気になっています。またお会いした時に聞いてみたいです。(※フォトグラファー・佐藤健寿が世界中で撮影した、奇妙な人・物・場所を集めた大型本。エクスナレッジ刊)
――菅谷さん自身がバグズ手術を受けるとしたら、どんな虫の能力がほしいですか?
そうですね、何がいいかな…チョウとか。いや、カブトムシかな。格好いいから(笑)。角もあるし、力もすごい強いですしね。
――ちなみに虫自体は得意ですか、苦手ですか?
すっごい苦手です。見る分には好きなんですけどね。よく動画とか検索して見るぐらい好きです。
――どんな虫の映像を見るんですか?
足がいっぱいあるやつ。
――それは気持ち悪くないんですか?
いや、神秘的なんですよ。実際に触れたりするのは嫌ですよ? 見る分には「すごいなー」って楽しんでます。ダイオウグソクムシとか、ああいう珍しい虫の映像をずっと見てますね。
――「テラフォーマーズ」で人類の敵となる、あの黒い生物と現実で遭遇した場合はきちんと対処できますか?
こっち(東京)ではあまりお会いしたことがないんですけど(笑)、実家にいるときはすぐ対処してました。嫌悪感から無意識に手が出るというか。ちょっとパニックにはなりますけどね。
――菅谷さんは「テラスハウス」で共同生活を送ってらっしゃいましたが、バグズ2号の乗組員たちと共同生活を送った場合、どんな生活になると思いますか?
みんな個性が非常に強いんで、しょっちゅう衝突しそうですよね。作中では、「火星へ行く」という同じ目標に向かってるじゃないですか。なので一応はみんなが協力しあう面もあると思うんですけど、普通に家で生活していたら、毎日衝突してるんじゃないでしょうか。
――個性が強過ぎる人たちとうまく過ごすコツはなんでしょう?
一緒に火星を目指すことじゃないですか(笑)。
――そのぐらい難しいということでしょうか(笑)。では最後に、読者へメッセージをお願いいたします。
ドラマ版は映画とは違った色になっていて、乗組員たちの人間模様が見えてきます。どんな過程を経て、どんな気持ちで乗組員たちが火星へ向かったのかが分かります。なので、映画を見てからでも見る前でも、セットで見ていただくとより楽しめる作品になっていますので、dTVのドラマ版もぜひご覧ください!
4月24日(日)配信開始
【HP】video.dmkt-sp.jp/ft/s0004377