伊藤沙莉続編に意欲?「次も茉優と一緒にやりたい!」
毎週金曜に放送中のフェイクドキュメンタリードラマ『その「おこだわり」、私にもくれよ!!』(テレビ東京ほか、夜0:52-1:23ほか)で、主演の松岡茉優と同じく本人役で出演中の伊藤沙莉にインタビューを敢行。自分自身を演じる難しさや撮影時の松岡とのエピソード、番組の見どころなどを語ってもらった。
――ご自身の役を演じてみて、ご家族などからの反響はいかがでしたか?
私があまり他で言えなかった分、家族には「きょうはこういうこと(撮影)をしたよ」なんて言っていたんですよ。だから、ハラハラしながら「あなた何をやってるの!?」とか言われるのではなく、爆笑して見てくれていました。お母さんは、もともと“ぶち壊し感”みたいなものが好きなので、松江(哲明)監督が「(伊藤沙莉は)『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』('85年-'96年、日本テレビ系)の高田純次さんの感じを担っている」って言ってくれていたことがうれしかったみたいで、「ここまでやるんだね」と面白がってくれていました。
――劇中では、伊藤さんは自由奔放で思ったことを口に出してしまうようなキャラクターですが、ご自身の性格に近いと思いますか?
近くはないですね、正直。もともと「バーン!」と意見を言うタイプではないですし、場をかき乱すことはあまりしないので。平穏無事に過ごしていたいタイプです。あまり、(役のような)奇想天外なことはしないです。「ポロッ」とうっかり言っちゃうところとか、発した言葉が自分が思っていたよりも失礼だった時とか、“やっちゃった感”があるのは理解できる部分もありますけど、それでも気にしないという感覚は私には分からないです。
――恋多き女という設定についてはいかがですか?
肉食系女子ではないので、(役のように)あからさまに表現するタイプではないです(笑)。そういう面では理解は難しいですね。
――自分を演じることと、全く違う人物を演じるのは、どちらが難しいですか?
自分です確実に。役の自分は自分と違ったところがあるので、共通点と違う部分とを考えて役に寄せていくのはいつも(他の作品)とそこまで変わらないんですけれど、全く違う人物でもないから、微妙に私が残るというか、私だし。
台本通りではないので、せりふの中に自分が発想した言葉が埋め込まれていて、全くの作りものではないんですよ。松江監督が「うその中に少しずつ本当のことを混ぜると、みんな信じる」と言っていて、思った通りになっているので、松江監督は本当にすごいなと思っていますね。どういう言葉なら、私自身もこの役として納得できるかを考えていました。
でも、本当の私の意見とは全然違うこともあって、「(せりふを)言いたくないけれど、役としては言わないといけないし」と、撮影期間中はずいぶん葛藤しました。
――撮影後には、必ず松岡さんと抱き合っていたと聞きましたが?
そうですそうです! それはクランクイン前から決めていました。撮影が終わるたびに「1回ハグしよう」と言っていて。絶縁はしたくないので(笑)。言い合うシーンを撮影すると、お互い冷めるのに時間がかかって、感情を引きずっているので、お互いをちょっと憎たらしく感じるんですよ。
「何なの?」みたいな感情になってきて。それを抱えながらまた次の日現場に行って、本当に憎たらしくなっちゃたらいやなので、「1回違うよ(演技だよ)というハグはしよう」と言っていました。
――お二人が仲のいい様子が伺えますが、松岡さんとの撮影時のエピソードなどありますか?
現実でも役としてもそうなのですが、お互いの関係がどんどん深まっていくんです。ふざけているだけでなくて、熱い話をするような熱いシーンが意外と多いんですよ。そういうときは、お互いがお互いを泣かそうとしていました(笑)。こう言えば泣くっていうような、お互いに相手のツボを知っているので、それが本心として伝わって泣くし、そうなると悔しくてこっちも泣かそうとするっていう。そんなやりとりがあったのが面白かったなと思いました。
そういう、うそ(ストーリー)の中で本当の姿を見せてやろうと、2人でやり合うのは楽しかったです。どのシーンで本当の2人の姿が出ているのかを、探りながら見てほしいですね。
――もし、10年後に続編があるとしたら、また演じてみたいですか?
私の年齢で等身大の自分を演じてみて、10年後に32歳の私たちの関係性とかを、客観的に見てみたいというのはあります。できるならやりたいですけれど…相手が茉優ならやりたいです! そこは絶対に譲れないところで、今回相手が茉優じゃないと無理だったと思うので。
――最後に、番組の見どころを教えてください。
(劇中の)私と茉優のやり方の違いから、茉優の思い描いていたあり方や、やり方の概念がどんどん覆されていってしまうんです。私という人間のせいで(笑)。私に刺激や影響を受けた人の言葉が、彼女の心に刺さったりとか。意外と青春物語のような要素があって、私と茉優の友情や熱い関係は、見ればみるほど深まっていくので、そこも見届けてほしいです。
もちろん、ヤバイ“おこだわり人”も登場するので、茉優と私がその人とどう絡んでいくのかも見どころだと思います。私がどうぶち壊していくのかと、茉優が混乱して困惑して、乱れていく姿も面白いです。伊藤沙莉のもう一つの顔みたいなものが、あるかもしれないですしね。
茉優に対する嫉妬心とかライバル心とか、親友だからこそ言えなかった部分を出していくことによって、過去の私の行動が分かってくると思います。うそなのか、本当なのか分からない中にある、本質を楽しみにしていただげたら!
何か難しい方程式を言ったみたいになっちゃいましたけど(笑)。
毎週金曜夜0:52-1:23ほか
テレビ東京ほかにて放送
【伊藤沙莉プロフィール】
'94年5月4日生まれ
千葉県出身 A型
「TRANSIT GIRLS」('15年、フジテレビ系)でドラマ初主演
映画「全員、片想い/MY NICKNAME is BUTATCHI」(7月公開)
「獣道」('17年公開)と主演作が続く