矢吹春奈、綾野剛との台本にない過激濡れ場秘話を告白
公開中の綾野剛主演映画「日本で一番悪い奴ら」でメガホンを取った白石和彌監督が、7月2日より実施中の“7日間連続トークイベント”。その2日目が7月3日に新宿バルト9にて行われ、本作で大胆な濡れ場のシーンに挑んだ矢吹春奈が登場した。
高級クラブのホステス・田里由貴を演じた矢吹は妖艶なレースのワンピース姿で現れ、観客から大きな声援が。白石監督の「男臭い映画に見えて、矢吹さんをはじめすてきな女優さんが彩ってくれています。その辺を聞ければいいなと思います」というあいさつで、トークイベントがスタート。
この作品を最初に見た感想を聞かれ、矢吹は「自分が撮影に参加したところしか知らなかったので、他のシーンがどうなっているのかなと思っていて。出来上がったのを見たら、自分のイメージを遥かに超えた素晴らしい作品になっていたので、そんなすてきな作品に参加できて良かったなと思いました」と明かした。
矢吹の起用理由を、白石監督は「せりふにもあるんですけど『男はいい女を抱けば男の価値が上がるから』というのを成立させるには、まずやっぱり“いい女だな”っていう人が第一条件だったんです。それでいろんな人に会っていたんですけど、なかなか僕のお眼鏡にかなう人がいなくて。そういえば矢吹さんならもしかしたらやってくれるかなと思い付き、プロデューサーを含め話してお声がけしました」と、経緯を告白。
それを受け、矢吹は「うわ~うれしい! それで去年の3月か4月くらいにオーディションを受けさせていただきました。最初、作品の台本を読ませていただいて、すぐにやりたい!って思いました。もちろん白石さんだし」と当時を振り返った。
それでもかなりハードなシーンが満載だったが「ハードな部分も自分に対してチャレンジでしたし、果たしてこのシーンを自分が演じられるのかっていう不安もたくさんありましたけど、とにかく(白石監督と)お会いしたいなと思いました」と、矢吹は“白石組”に参加したかったことを明かす。
近年の日本映画としては類を見ない過激な描写も多い本作。そこまで踏み込んだ理由を問われると、白石監督は「結構最近の映画は緩くなっていると思ったんです。誰かがやらないといけないなと思っていたし、別に勝手に背負っているわけではないんですけど、僕が見たい映画がこういう作品だっただけで。冒頭のシーンも切ろうと思えば切れたけど、こういうのもないと映画として駄目なんじゃないかと勝手に思っているところがありました」と、力説した。
そんな監督の熱い思いが詰まった現場は、出演者側も映画の“熱量”を感じたよう。「クランクイン初日は私いなくて、スタートして1週間か2週間して入らせていただきました。その時、スタッフさんとキャストさんのアドレナリンが出過ぎているんじゃないか?っていうくらいテンションの高い現場で(笑)。こんな現場って存在するんだ!ってショックを受けました。終わった後も興奮冷めやらなかったです」と当時を思い出し、興奮気味に振り返った。
その話を聞いた白石監督は「後半、薬物をやっちゃって、(綾野に)バシバシ殴られながらセックスするシーンがあったんですけど、台本にはなかったんですよ。ちょっと綾野君と話をしていて『どうする?』って。ビンタしながらキスするくらいにしようかなと思っていたら、『監督、俺セックスしたいです』って言いだして、クスリやっているのに殴りながらセックスするってどういうことだろうって思いながら…。矢吹さんには申し訳なかったんだけど、あまり詳細にどうこうするって言わなくて『もしかしたら先までいくかもしれないから(胸元の)ワイヤレス外しておこうか』って伝えたんです」と、過激な濡れ場シーンの裏側を暴露。
矢吹もこのシーンは衝撃的だったようで「ずっとナイトドレスみたいなのを着ていて、その中にマイクを仕込んでいたんですけど、(そのシーン前に)全部外しますって音声さんに返して、もう脱がされてもいいように、何をされてもいいように(笑)。あそこはテスト1回ですぐ本番だったんです」と告白した。
しかも監督は「延々カットをかけなかった(笑)。自分でもいつ終わるんだろうって思いながら(笑)」と、“悪い顔”で笑い飛ばした。続けて、矢吹は「あのシーンは綾野さんが思い切りビンタしてくださって。なかなかそうやってビンタされることもまず生きてきてなかったので、ちょっとDVされるとこんな感じなのかな?って(笑)。ただ、ビンタされながらもそれが“愛のムチ”っていうのを、芝居しながらひしひしと感じていました」と、笑顔を見せた。
最後に白石監督は「この映画は単純に熱量のある面白い映画になったかなと個人的には思っていて、その感じがまたこの作品だけじゃなくて、日本映画全体に広がって、日本映画が盛り上がればいいなと思っているので、ぜひ皆さん見てください」とアピールした。
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