【試写室】「女特捜」大地真央の“菩薩感”にほれぼれ
毎クール、各局で放送されているドラマやバラエティーを事前に完成DVDを見て独断と偏見とジョークに満ちたレビューで番組の魅力を余すところなく紹介する、Smartザテレビジョン流「試写室」。
今回は、6話中3度目というまさかのリピート率を誇るあの作品だ。そう、8月25日(木)夜8時から放送のドラマ「女たちの特捜最前線」最終話を一足先に視聴し、見どころを紹介する。
最終話となる第6話では、資産家・田野倉吾郎(白井滋郎)が、自宅で殺害されているのが見つかる。犯人の目的は、隠し金庫にあった数億の現金と思われ、捜査本部は被害者の下で働いていたクラブ店長・金山源次郎(松澤一之)を怪しむ。
そんな中、室町京子(高島礼子)は、刑事課長の“ナルシー”加藤修一郎(渡辺いっけい)が謎の美女とデートしている姿を目撃。
いつも通り、一条弥生(宮崎美子)や八坂美鈴(高畑淳子)に大興奮で話しまくり、人気カフェのオーナー・河原崎時恵(大地真央)が、女子会主催の“秋祭り”の打ち合わせにやって来るのも忘れそうになるほど。
時恵は、訪れる客たちの悩みを聞くことから“壬生寺町の菩薩さま”と呼ばれており、秋祭りでも時恵の人生相談ブースを設けようと盛り上がる。
ところがその矢先、加藤のデート相手・八代瑠璃子(遠藤久美子)が刺殺される。実は、瑠璃子は金山の元交際相手であり、加藤は彼女と極秘裏に接触していたようだった。
そんなこととは露知らず、デートのウワサをふりまいた京子は、自分が機密情報を漏らしたせいで、瑠璃子が殺されたかもしれないということにショックを受ける。
さらに、その件で弥生と仲たがいした京子は、怒りのままに“女子会の解散”を宣言。慰めてもらおうと時恵の所に行くのだが、いつも優しい彼女に思いもよらぬ事を言われてしまう…というストーリー。
最終話の序盤を見て、今回こそわれらがナルシーの最後にして最大の見せ場となる!と確信していたのだが…ふたを開けてみれば、結局いつものナルシー劇場だった気がする。というより、それよりもディープなインパクトを残すのが、“美魔女”という言葉がふさわしい年齢不詳の美しさを誇るゲスト女優・大地真央だ。
今回の“壬生寺町の菩薩さま”という異名にも驚いたが、まあそれにたがわぬ菩薩感。よく見かける菩薩像って大地がモデルだったっけ?って思うほどの菩薩っぷりで、彼女には常に後光が差していたように見えた。まるであの名優の美し過ぎるお嬢さんのように。って、誰だよ。
菩薩の時と京子に思いもよらぬ事を言う時とのギャップがものすごいので、それだけでも晩飯一杯分くらいのカロリーを目から味わえそうだ。
さて、おなじみの脱線をしたが最終話では、京子と弥生が一触即発(?)のけんかをしてしまい、女子会の解散という展開に。あれくらいでけんかをするような仲だったかな?と、ややもすれば疑問を抱きかねないが、そこは全体的に勢いのあるドラマ。彼女たちのマシンガントークを聞けば、大抵のことは納得してしまう。
これまでナルシーを筆頭にそれぞれの上司や、ゆとりの部下など、ある意味“外野”にとやかく言われても、自分たちの信念をもってわが道を行ってきたトリオ・ザ・オバサン。
見ている人も誰だってつらいことやわずらわしい外野はいると思うが、このドラマを見れば、自分を信じて行動すれば必ず何とかなるんじゃないかと思えてくる。
そういう意味では、伝統の“木曜ミステリー枠”としても異色のメッセージソング的な、迷える子羊へのエール的なドラマなのかもしれない。
勢いのあるドラマにちなんで強引にまとめようとしたものの、あんまりうまくまとまっていないが…。とにかく最終話だからって変に奇をてらっていない直球勝負の仕上がりになっているので、安心してください!損はさせませんよ。
あ、もちろん“謎解き”という意味では、往年の工藤公康のカーブくらい切れ味鋭い変化も味わえるので、最後までドキドキして見られますよ、奥さん!
8月25日(木)夜8:00-8:54
テレビ朝日系で放送